2009年07月22日
トリーター:伊藤

地味な魚のささやかな華


天皇陛下のご研究コーナーに展示している「タナゴモドキ」がひそかに変貌しています。普段は地味な茶色をしているのですが、成長し、繁殖のシーズンが近くなると「婚姻色」と呼ばれる色彩をあらわすのです。
本種でいえば、成長した強いオスの体色がグッと赤くなり、鰭に白い斑点模様や赤や黒の縁取りが表れます。
もちろん、他の熱帯魚に比べれば地味なのですが、本当に地味な魚が見せる、ささやかな美しさに惚れ惚れさせられます。

婚姻色は多くの魚でオスに発現しますが、ジュズカケハゼなどのようにメスにあらわれる場合もあります。
この色の変化は「繁殖OK」の目安にもなります。
何とか相性のいいカップリングを実現させて、次世代を残せるように配慮したいと思っております。
・・・ といったそばから恐縮ですが私、これから少しの間、水槽の魚たちとは会えなくなります。
詳しくはおそらく来週あたりからの「航海・採集日誌」をご一読ください。
タナゴモドキの故郷から面白い話題を提供できればと思っております。

タナゴモドキタナゴモドキ

皇室ご一家の生物学ご研究

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