2009年07月23日
トリーター:石川

自然現象と飼育動物


みなさん昨日の日食ご覧になられましたか?
あいにくの曇り空・・・が幸いして逆に裸眼で見えた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
私はちょうどお休みをいただいていたので自宅で家族と見ていたのですが、ピークの時間は雲が薄く見え隠れしながら楽しめました。

本州では部分日食ですから、大きな変化はありませんでしたが、太平洋上の皆既日食帯では晴雨に関わらず辺りが暗くなる現象を体験できたようですね。
話によると、皆既日食のときは動物たちの動きにも変化が見られるとのことで、各地からのニュースもありましたが、部分日食のここ“えのすい”では目に見える変化はなかったようです。

私が 20年ここで飼育していて起こったいくつかの自然現象で、濃霧や虹などでは大きな変化は見られませんでした。
強風は単に嫌がっていたようですが、異常な行動はなかったと思います。
夏の夕立と雷では、昨日の皆既日食のように辺りがにわかに暗くなり、近くに雷が落ち、バケツをひっくり返したような雨がショー中に降ってきたときには、さすがにアシカたちも平常心ではいられなかった記憶があります。
あまり怖いとプールへ入って出てこなくなってしまったりしていました。
担当していたペンギンでは水族館生まれのペンギンはあわててプールへ入っていましたが、野生から来たペンギンは巣の中でじっとしていました。
こういったことは経験によるものなのかもしれませんね。
あと自然現象ではっきりするのが地震です。
相模湾大水槽の魚が地震の起こる寸前に“パッー”と散って、暫く落ち着かないといったようすが見られたことがありました。

皆既日食下の野生ペンギンのコロニーでは、暗くなる前に鳴き始め、暗くなったら静かになったということを耳にしましたが、真意は分かりません。
来年の 7月11日、皆既日食が南半球で見られます。
皆既日食帯にアルゼンチンのマゼランペンギンの繁殖地域が重なっています。
実際にはどんな反応を示すのか、それは驚いているのか?歓喜の叫びか?観察してみたいですね。

また何か情報があればお伝えしましょう。

日食とジャンボ日食とジャンボ江の島で見られた日食江の島で見られた日食

ペンギン・アザラシ

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