2009年08月31日
トリーター:伊藤

いつの間にか入れ替わる川魚


きょうが夏休み最終日、というみなさんは多いのではないでしょうか?
最後に一発、どかんと遊びに行きましょう!といいたいところですが、関東地方の天気はあいにくの台風、今回に限っては家でおとなしく過ごすのが安心ですね。

私の方は、8月最後のお休みに川の生き物観察を楽しんできました。北関東の田園地帯で、神奈川県と比べて豊かな里山が広がり、のどかな空気に触れて、よい気分転換となりました。

さて、川の方も一見すると昔と変わらないかと思いきや、よく見ると異変に気付かされます。
「カワムツ」がとても多いのです。
もともとは西日本にだけ生息していた種ですが、近縁の「ヌマムツ」とともに、関東地方で人知れず勢力を拡大しているようです。
春から初夏の繁殖期には体に紫色のラインがくっきり出て、各鰭が鮮やかな黄色やピンクにそまり、熱帯魚に負けないくらいきれいです。
ただ、それ以外の季節はやや地味なので、水面から眺めているだけでは、いつの間にか川の中の生物が入れ替わっていることに気付かないかも知れません。
もともとは、西日本からのアユの種苗などに混ざってきたものが、増えやすい状況に後押しされて繁栄しています。
近年では、こうした国内での生物の移動も「国内外来種問題」として扱われるようになり、一昔前では普通だった他地域からの生物の放流も慎まれるべきだとする風潮になってきました。

この目立たない外来魚「ヌマムツ」は相模川を再現した「川魚のジャンプ水槽」にもいます。
また、9月からのテーマ水槽ではいろいろな川の生き物が登場します。今回は深海ホープの根本トリーターが担当して、相模川在来の生き物を中心に展示しますので、ぜひご覧ください。
私も川好きの一人として楽しみます。

カワムツカワムツ

相模湾ゾーン

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