2010年01月01日
トリーター:寺沢

恭喜発財

東浜を黄金色に染め、新しい年の幕開けを告げた朝日が夕日に変わり、西浜に夜の帳が降りた頃、波打ち際には漁り火が灯る。

冬の風物詩。
12~ 4月(藤沢市)にかけて水族館の両側を流れる境川、引地川の河口では、シラスウナギと呼ばれるウナギ漁がおこなわれる。
通称ソウメンコといい、養鰻業者に流通する。その漁獲高がウナギの値段を左右する。

日本の食文化には欠かせない、万葉集に詠まれたウナギだがその生態はなぞが多い。

産卵は海。
マリアナ諸島西方沖のスルガ海山。どうやら、ここが彼らの産卵場所。二転三転したその場所も、特定されたのはつい最近のこと。産卵 2日目の仔魚を採取し、その遺伝子を調べたらニホンウナギだったとか。

葉っぱの形。
卵から仔魚へ。透明な柳の葉状、レプトセファルス幼生となり海流に乗る。
泳ぐ力もなく、何を食べているのかも不明だとか。

途中で変身。
黒潮に乗った仔魚は、無色透明なシラスウナギに変体する。11~ 4月に日本沿岸に流れ着く。
計算上ではもっと早く着くのだとか。その間、どこにいるのか?河口周辺で淡水になじみ、新月の夜などに川を上りうなぎ。

産卵は海でおこない、普段は淡水で過ごす生活史。
降河回遊といい、ウナギの回遊はサケとは逆。

成鰻となった後、数年から十数年で成熟し、銀ウナギ(親ウナギ)となって春から秋にかけて川を下りうなぎ。再び、2,000km以上の先の産卵場を目指す。
そもそも、ニホンウナギはなぜ、これほどまで遠くで産卵するのか、それ自体がなぞである。

ウナギウナギ

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