2010年01月05日
トリーター:石川

5のつく日


きょうは 5日、ペンギンは 5のつく日に体重測定をおこない、健康管理の指標としています。
給餌前、順番に体重計へ乗ってもらえるようなトレーニングをすればあまり気苦労もないのですが、今は朝一番、ペンギンたちがまだ活動に入るちょっと前に、1羽 1羽捕まえて量ります。

これには人間と同じく、まだ何も食べていない状態の体重を基準としたいということと、ペンギンは水に入りますが、一旦水に入ってしまうと表面の羽毛に水分が含まれてやはり正確な体重が量れなくなってしまうというのが理由なのですが、全部で 21羽いるとほぼ確実に全羽を水に入れず量ることはできません。

きょうは 10羽まで測れましたが、後の 11羽は水に入ってしまいました。

また捕まえる時は皮の手袋をします。
半分くらいのペンギンたちは素手で捕まえてもなにもしませんが、特に雄のペンギンは捕まえると必ず噛み付いたり突付いたりします。
特に痛いことをしているわけでもないのですが、雄は縄張り内にいることが多く、そこへ手を出してしまうので、縄張りに侵入した外敵としていつしか皮手袋は攻撃対象であるという認識として定着してしまったのかもしれません。
まあペンギンたちにとって皮手袋が来る時は、移動や治療などイメージとして良いことがおこらないので仕方がないのです。

手袋は溶接用のものやキャンプで熱い薪などをもつ皮手を使用していますが、利き腕側はズタズタにされてしまっています。
ペンギンの仲間でも、特にフンボルトペンギンの仲間は魚食中心で嘴の破壊力があるので、素手でつつかれたり、薄手のズボンなどでは簡単に怪我をさせられてしまうのです。

ひとつ面白いことがあるのですが、体重測定が終わると絶対に自分はもう捕まらないという認識をもつようなのです。
当然 2度も 3度も捕まえたくはないので、一度量れればそれ以上捕まえる必要はありません。このことを学習しているようなのです。
ですから一度体重測定が終わったペンギンは、捕まっていないペンギンを追いかけていてもあまり逃げないのです。
しかし、たまに記録するのを忘れて次のペンギンを量ってしまい、前のペンギンの体重を忘れてしまったり、どうも測定結果に疑問が残る時などはもう一度捕まえたりします。
この時は結構激しい“抗議の声”を発せられるのです。

さっきはかったじゃん!!
なんでまたつかまえられなきゃいけないのさ!!

といわれているように聞こえるのですが・・・
はたしてその真意は?!

きょうもなんだかんだ全羽、無事体重測定を終了しました。
19羽は体重が順調に増加、2羽は減っていましたが、水に入ってしまった個体なので誤差を考えると問題ない体重変化でした。

ペンギンに限らず、イルカ、アシカ、アザラシ、ウミガメもそれぞれ決まった日に体重測定を実施して、常にみなさまに元気な状態をご覧いただけるよう健康管理に務めています。

皮の手袋皮の手袋

ペングィーン!

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