2010年03月21日
トリーター:大内

こいつも実は・・・


ここ数日、気温も上がりすっかり春の陽気が続いていますね。春の代名詞とも呼べる桜の開花もあと数日というところでしょうか?
そんな桜の影で忘れられがちな春の花があります。
背の低い黄色い花が特徴のタンポポです。
このタンポポにはもともと日本に自生していたものと海外から移入してきたものがあり、それぞれ外見的な違いがあるってご存知ですか?

花には花や花序の下部にある、つぼみを包んでいた葉のことを苞(ほう)というのですが、この苞の部分が在来種と外来種とで違うんです。
在来種はこの苞の部分が花が咲いた状態でも花を包み込むようにくっついているのですが、外来種は苞が反り返っており、花から離れているのです。
タンポポを見かけた時は花の裏側を見て、在来種か外来種かを確かめて見るのもおもしろいものですよ。

“えのすい”の中にも外来生物を展示しています。
名前を、

「ムラサキイガイ」

といいます。
日本の名前じゃない?と思う方もいるかもしれませんが、歴とした外来生物なのです。
このムラサキイガイの生息地域はヨーロッパ諸国で、別名を「ムール貝」ともいいます。
主にパエリアやブイヤベース等に入っていたりして食べられます。

ふだんは岩に付着しているムラサキイガイが、なぜヨーロッパから遠く離れた日本までやって来れたと思いますか?
実は船によって運ばれて来たんです。
船は船のバランスをとるために、船底に海水を溜めることでバランスを保っているのです。この船底の水の中に貝の幼生が入り込んで、遠く離れた日本の地の気候に適応して繁殖していったんです。

現在では北海道南部以南に幅広く生息しています。貝毒を保有する時期がありますので、詳しい知識のない方は自然下のものを取って食べるはやめておいた方がよさそうです。
そんな豆知識をふまえた上で、展示生物を見るのも楽しいものですよ。
暖かくなってきた今、“えのすい”へ足を運んでみてはいかがですか?

ムラサキイガイムラサキイガイ

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