2010年03月22日
トリーター:植田

世界水の日と海水について


きょう 3月22日は国連が 1992年に定めた「世界水の日」です。この日に、改めて地球規模で水の重要さや大切さを考えようと定められたそうです。
日本では以前から 8月1日を「水の日」と定め、夏の時期不足し勝ちとなる水の大切さを考える日とされています。

さて、水族館は文字通り水の館です。水無しにはその存在も、活動もありえません。
特に当館は相模湾を始めとする海産の生き物にこだわって飼育・展示をしていますので、海の水すなわち海水はとても重要な要素といえます。
相模湾大水槽を始め、イルカショースタジアムのイルカプールにいたるまで、目の前に広がる相模湾から海水を取り込み、一度濾過をして濁りの素などを取り去った水を各水槽に送り込んでいます。
この海水には塩辛い成分である塩化ナトリウムだけではなく、さまざまな微量の物質を含んでいます。それが魚類のみではなく、背骨のない動物や海草、海藻にいたるまで様々な水生生物の命の元となっているのです。

先日アメリカ合衆国の 4館ほど水族館を視察してきました。
この中にはあの有名なモントレー湾水族館も含まれているのですが、他の 3館は海岸から離れたところに立地していることもあり、生き物を飼育・展示する海水は人工海水の素を真水に溶かしこんだ人工海水を使用しているのに対し、モントレー湾水族館だけが地先の自然海水を汲み上げて使っています。
その結果なのでしょうか、モントレー湾水族館でだけ水槽内に生い茂る海藻を見ることができました。
理由ははっきりしませんが、自然の海水の力が海藻の生育にはとても重要なのかと考えさせられました。

相模湾大水槽相模湾大水槽

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