2010年05月15日
トリーター:植田

春の生物収集


以前、このコーナーでもお話したことがありますが、春から初夏にかけての海辺は潮の満ち干きがとても活発になる、いわゆる大潮の時期に干潮のタイミングが日中になります。したがって、海岸に行楽に行くにもとても都合がよく、みなさんが潮干狩りに出かけるのもこの時期ですね。

我々魚類展示担当は四季に関わらず展示生物を求めて海岸に出かけます。しかし、やはり最も気持ちの良いのはこの時期の採集作業です。採集といってもただ闇雲に手当たり次第に生き物を採集するのではなく、それぞれ展示テーマや収容する水槽に合わせて採集する生き物を選びます。

きのうは、干潟の水槽と相模湾沿岸水槽の浅海部分に収容・展示する生き物たちを探しました。場所はよく採集でお世話になる、当館から車で 1時間程度のとある河口です。ここが干潟になっており、そこに生息する生物を、必要に応じた数だけ採集します。採りすぎはいかなる場合にも禁物です。きのうは晴天で、多少肌寒い感じではありましたが、風も強くなく、日差しを浴びての採集作業は快適でした。そのような日和なので、平日にも関わらず近隣から多くの方が潮干狩りに来られており、我々もその人たちに混じっての作業でした。

ただ、採集しているものがスナガニ類やユビナガホンヤドカリ、それにホソウミニナなどどう見ても食用とはならない生き物たちを採集していたものですから、我々のバケツを覗き込み何に使うのか何度か訊ねられました。そのたび展示に使う生き物たちだと答え、所属を名乗ると、最近来館したとか、しばらく行ってないから今度行くよ、などとお話が弾みました。

ホソウミニナホソウミニナ

相模湾ゾーン

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