2010年06月21日
トリーター:戸田

採血


オットセイの「スバル」の採血ができましたので報告を。

鰭脚類の採血は前脚や後脚の血管でおこないます。
いきなり注射針を刺せば痛がって逃げ、注射針が体を傷つけることも考えられますし、瞬間的な痛みでトリーターや獣医を噛むことも予想されます。
そこで採血の調教は念には念を入れて行います。
血管の確認からオットセイの場合、後脚からの採血が簡単と判断し、トリーターがスバルの後から後脚を持ち、注射針の痛みに驚かないよう、つねったり爪楊枝で刺したりと刺激を与えます。
しかしトリーターが見えない状況では不安のようで体を後側に曲げてしまい安定しません。
そこで姿勢の見直しです。

まずは獣医の安全確保です。
獣医は動物にとって良いことは何もしてくれず、痛いことばかりするので嫌われます。
ですから時に動物の攻撃対象になります。
次に自分の安全確保です。
私としては○○なマスクを傷物にしたくないことと、繊細な手、指を噛まれてはピアノが弾けなくなります(最もピアノはホコリをかぶっていますが)。
逆に噛まれても問題ない場所はお肉のたっぷり付いた臀部ですが、スバルの顔の前に臀部を突き出した姿勢での採血は絵的に問題ですし、第一その姿勢は辛すぎます。
そこで「スバル」の横に座り、雄犬のおしっこの姿勢、後脚をトリーターに振り上げる姿勢にしました。
トリーターが横に見えるため「スバル」が安心しますし、獣医のガードができます。そして万一噛む行動に出た場合もトリーターの背中側になります。
まあ、顔よりいいか。


あれ、肝心なことを忘れていました。
採血ですが、「案ずるより産むが易し」何の問題もなくできました。
「スバル」にとって注射針より、つねり攻撃の方が痛かったのかも。

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