2010年09月02日
トリーター:石川

じゅげむ


“寿限無、寿限無 五劫の擦り切れ 海砂利水魚の 水行末 雲来末 風来末 食う寝る処に住む処 やぶら小路の藪(ぶら)柑子 パイポパイポパイポのシューリンガン シューリンガンのグーリンダイ グーリンダイのポンポコピー ポンポコピーのポンポコナーの長久命の長助”

夏休み期間中みなさまより今年の 3月に生まれたフンボルトペンギンの子どもたちの名前を募集させていただき、たくさんのご応募をいただきました。
ありがとうございました。

ご応募いただいた中からそれぞれのペンギンにあった素敵な名前を選ばせていただきたいと思います。
発表は 9月11日(土)の13:45ペンギンストーリー後の予定です。

さてということで今回はペンギンの“名付け”についてお話しいたしましょう。
私が水族館へ入った 20年くらい前はまだフンボルトペンギンそれぞれに愛称はなく、色で識別していたので、それが名前になっていました。当時ペンギンショーはⅠ群、Ⅱ群(なぜかローマ数字)で分けられ、Ⅰ群が右翼、Ⅱ群が左翼にそれぞれ色つきのタグ(現在と同様)を付け、右青は(ミギアオ)、左赤(ヒダリアカ)が正式名称でしたがⅠ群の青でⅠ青(イチアオ)といような呼びやすい言い方で読んでいたと記憶しています。

その後、日本動物園水族館協会の下実施されている国内血統登録(国内の飼育下の生物を登録し遺伝的多様性を維持し実践していくなどがおもな目的)にペンギンも加わりました。この際に右とか左という呼称より数字のほうがわかりやすいと判断し、右を 1、左を 2としました、また同翼のカラーリングは色の順番を数字に置き換えました(たとえば赤を 1、青を 2・・・で6色あったので 6番まで)。

ちなみにフンボルトペンギン以外では 20年以上前に飼育したマカロニペンギンに愛称がついていたものもいました。

さて話を戻すとフンボルトペンギンの名前はこれを機会にⅠ黄(イチキ)とか赤緑Ⅲ(アカミドリノサン)という呼び方で統一されていきました。

ただ結果として過去の呼称を思い起こしさらに、新たな呼び名があるので、たとえば現在いるペンギンで旧名Ⅰ黄Ⅱ-Ⅰ(現在の「セサミ」)というペンギンがいるのですが、はじめの名前は右黄青の左赤という名前でしたそれがⅠ黄Ⅱ-Ⅰで・・・しばらくはこれが繰り返されることになっていました。
ちなみにこの名前の付け方にも意味があります。Ⅰ黄というメスのペンギンがいたのですが、このⅠ黄の 2番目の子どもがⅠ黄Ⅱ、Ⅰ黄Ⅱの初めの子どもがⅠ黄Ⅱ-Ⅰと母親の名を受け継いでいったのです。これも現在 4世代目に入っていますが、世代が続けばつづくほど長く続きます限がありません。まるで寿限無です。
この結果 1999年以降に生まれたペンギンを境に愛称をそのまま付けていくことになりました。

私の息子の時もそうでしたが、子どもに名づけるのは幸運、健康、出世、そして親しまれやすさ、覚えやすさ、あだ名がつきにくい名などいろいろ考えてしまいます。

気がつけば
“寿限無、寿限無 五劫の擦り切れ 海砂利水魚の 水行末 雲来末 風来末 食う寝る処に住む処 やぶら小路の藪(ぶら)柑子 パイポパイポパイポのシューリンガン シューリンガンのグーリンダイ グーリンダイのポンポコピー ポンポコピーのポンポコナーの長久命の長助”
になっていたりして。

フンボルトペンギンの子どもたちフンボルトペンギンの子どもたち

ペンギン・アザラシ

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