2010年09月19日
トリーター:唐亀

怪しいニンジン


今月のテーマ水槽は「国際生物多様性年~可笑しくも地球のなかまたち~」。
今月の裏テーマは「へんないきもの」。
「地球の生き物は必要の無いものは何一ついない」ということで、へんないきものを集めました。

オカガニの仲間は日本では沖縄や、南西諸島に見られる比較的大型のカニで、ベンケイガニやアカテガニなどと同じように海に近い山間部などで暮らしています。
地中に穴を掘って巣を作り、主に夜間活動します。
卵からかえった幼生は、海中でプランクトン生活を送るので、卵を抱いたメス親はふ化の時期になると大挙をなして海に向かいます。
これの有名なものとして、クリスマス島のクリスマスアカガニがあります。

“えのすい”にいるのは「ミナミオカガニ」。
オカガニの仲間でも、マングローブ域に暮らしていて、あまり内地には入りこまない種類です。
左右のハサミの大きさが違い、背中が割合つるっとしています。かなり凶悪なイメージがありますが、実際接してみると少し違うようです。
カニの防御にはいくつかあって、岩の隙間などに入り込んだり、体をちぢこませたり、ハサミを振り上げたりします。
特にガザミなどのワタリガニは双方のハサミを振り上げ、積極的に挟んできます。
ハサミには鋭いトゲがのこぎりのようにはえていて、挟まれると大変痛い思いをします。
さて、オカガニはハサミを振り上げるタイプです。
ただ、ハサミが重いのか、あまり上に上げ過ぎると後ろにひっくり返ってしまうのです。
しかも、あまり挟もうという気はないようで、威嚇だけのようです。
飼育下ではあまり動き回らず、じっとしていることが多いです。餌を与えると、小さいほうのハサミでつかみ、口に持っていくのですが、かなり食べるのが遅く、そのままじっと動かなくなってしまうこともあります。
元来、植物性の物を多く食べているカニで、サツマイモなども食べます。ニンジンなども食べるといいますが、この個体はニンジンがあまり好きではないようです。
何だかボロボロにしてしまいます。チンゲンサイは白いところは食べますが、葉の部分は嫌いなようです。
オカガニといっても水は好きです。ろ過機は付いていますが、水を取り替えてあげると、どっぷりと浸かって盛んに口の中にある繊毛を動かして水を取り込んでいます。
 
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