2010年09月19日
トリーター:唐亀

しゃこボクサー


今月のテーマ水槽は「国際生物多様性年~可笑しくも地球のなかまたち~」。
今月の裏テーマは「へんないきもの」。
「地球の生き物は必要の無いものは何一ついない」ということで、へんないきものを集めました。

シャコはエビの仲間ではありません。
というとみなさん驚かれます。カニ、ヤドカリ、エビは十脚目というひとくくりなのですが、シャコは口脚目という別のグループなのです。

英名はマンティス・シュリンプ。
捕脚が鎌のようになっているのですが、付き方がカマキリと逆についています。これを使って獲物を捕らえます。
獲物を捕らえる時のタイプにより、鎌の形状が異なります。
鎌を素早く前につきだして、鋭いトゲを獲物に突き刺して捕らえる「刺し型」の鎌は細く、鋭いトゲが並んでいます。
「打ち型」は、鎌の付け根のところが大きく膨らんでおり、ここで勢いよく獲物を叩き割ります。
両方をおこなうタイプでは、両方の形状を兼ね備えています。
 
モンハナシャコは南の暖かい海にくらしています。
典型的な打ち型で、盛んにパンチを繰り出します。カニなどを積極的に襲い、甲羅を砕いて食べてしまいます。
パンチを繰り出した時、パチンとかなり大きな音が水槽の外にいても聞こえてきます。かなりパンチに自信があるのか、人間に対しても割と攻撃的です。

モンハナシャコの目は丸く、くるくるとよく動きます。
きれいなミラーボールのような複眼ですが、かなりよく見えているようです。
そもそも、きちんとした距離が把握できていなければ、的確にパンチを当てることはできないはずです。
“えのすい”のモンハナシャコ、やはり餌を与えると、受け取る時に必ず一発お見舞いされます。そして受け取るともぞもぞと食べ始めるのですが、いらない時、食べたくない時は割と丁寧に押し返してきます。
また、ひっくり返って腹を掃除したり、こちらのようすを明らかに伺ったりと、何だかネコっぽいところがあるように思います。

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