2010年10月06日
トリーター:伊藤

世界最大のパワー


先日、タカアシガニを搬入した時のことです。不覚にも二の腕を挟まれてしまいました。運搬用の入れ物から水槽に移す時、どうしてもつかみ上げなくてはならず、背中側から甲羅をがっしり持ったのですが、思いのほかハサミの可動範囲が広く、気がつけばつままれていました。しかし、ここで無理に外そうとすれば、カニ類の例にもれず、ハサミを自分で切り離してしまうかも知れません。ということで、水槽の水にカニを浸けて、自ずから離してもらうことを願いました。なかなかしつこかったですが、最後には無事、離してくれて水槽に落ち着きました。何事もなくて一安心です。

世界最大のカニに挟まれて何をノンキな、という感じですが、パワーは考えていたよりもずっと弱かったのです。はさむとゆっくりゆっくり力を込めてゆき、まるでペンチで挟まれた感じで、痛いにはイタイですが、はさまれた部分が少し内出血したくらいでした。相手が手加減してくれただけかも知れませんが・・・。

当館にはタカアシガニの比ではないパワーを秘めたカニがいます。どんな怪物かと思えば、キッズ水槽にいるアミメノコギリガザミです。学生のころ、石垣島で出会った本種に竹の棒と金属パイプを差し出して試したことがありますが、前者はバキバキ、後者もへし曲げられるという、恐怖すら感じる結果でした。タカアシガニと違って背中から持つとハサミが届かないのですが、興奮した時のハサミの繰り出しはボクサーのジャブ並みに速いですから、侮れないやつです。

タカアシガニのハサミタカアシガニのハサミアミメノコギリガザミのハサミアミメノコギリガザミのハサミ

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