2010年10月07日
トリーター:島津

クラゲの毒の話


毒キノコのニュースが流れていますけど、毒つながりでクラゲの毒の話をします。

クラゲは大きく分けて刺胞動物と有櫛動物の2つに分けることができ、刺胞動物が毒をもっています。
有櫛動物は毒はなく、ねばねばとした、とりもちのような触手で獲物を捕まえます。
刺胞の仕組みはビックリ箱のようになっており、フタの部分に何かが触ると中から毒針が外に飛び出して、相手に突き刺さり毒液が注入されます。
刺胞カプセルは、1回飛び出すと元に戻らないため、はがれ落ち新たに作られます。
刺胞にはクラゲの種類により色々なタイプがあり、毒もいろいろあり、このクラゲにはこう対処すればよいということがあまり分かっていません。
世界で最も毒が強いクラゲは、オーストラリアに生息するキロネックスで、このクラゲに刺されて死亡した例もあります。
日本ではカツオノエボシ、ハブクラゲなどです。

また、クラゲには逆に無毒化してしまったクラゲもいます。南の島、パラオに生息するタコクラゲの仲間です。
外洋から隔絶された海水湖にすみ、天敵がいなく餌となる生物もほとんどいません。
このクラゲは体内に褐虫藻が共生しており、光合成をおこない、クラゲに十分な栄養を供給してもらい、餌をとる必要がなくなったためです。
ちょっと変わった有櫛動物のフウセンクラゲモドキでは、餌として食べたヒドロクラゲ類の刺胞を消化せずに自分の武器として使用します。
どうしてそんな仕組みを作り上げることができたのか不思議です。

タコクラゲタコクラゲ

クラゲファンタジーホール

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