2011年02月09日
トリーター:櫻木

工夫


今月初め、新潟の水族館でおこなわれた「鯨類の健康管理」をテーマにした研修会へと参加して参りました。
健康管理に用いている道具は“えのすい”とほとんど同じもの、動物の体温を測る検温器は全く同じものを使用していました。
この検温器はその他の水族館でもよく見かけるもの、非常に使いやすいのですが、プールサイドで使うにはちょっと不便な点も有ります。

それは防水機能がないこと。精密機械なだけに丁寧に扱わなければなりませんが、もしプールに落としてしまったら間違いなく壊れてしまいます。
その為、水に触れない工夫などは各水族館でされています。“えのすい”の検温器はどのようになっているのか。

工夫 1 透明のタッパーに収容:
料理などの保存に使われているタッパーは密閉性の高いもので、もしプールに落としたとしても水没せず水面に浮いてくれます。透明で有れば、外から表示される体温を見ることもできます。

工夫 2 ゴムバンドで補強:
タッパーが誤って開かないように外側にゴムバンドを付けてあります。このバンドは細長い体温計のコード部分をまとめておくことにも役にたちます。

工夫 3 水銀スイッチ:
タッパーの蓋を開けなくても電源のonとoffができるよう、水銀スイッチを付けており、使用時は通常の向き、使用しない際は逆さまにしておくことで電源を切ることができます。
ですから、トリーターは検温の作業が終わると検温器を逆さまにしているのです。お気づきの方はいましたか?

このように工夫され、使いやすくなっています。でも、忘れてはならないのは道具を丁寧に扱う心ですね。

検温中(検温器は矢印のなか)検温中(検温器は矢印のなか)

イルカショースタジアム

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