2011年06月09日
トリーター:今井

観察力


今年入社のS君は、人真似がとっても得意です。
一見特徴が無さそうに見える人でも、ちょっとした仕草を見せるだけで、私に「ああ、あの人か!」と伝わってきます。
私が感心するのは、まんがチックな似顔絵でもそうですが、誰もが認識できる部分を極端に際立たせたりする分けでは無く、「そういえば、確かにそうだったな!」と、今まで気が付かなかった癖や仕草を教えてくれるような、発見のある人真似なのです。
これは優れた観察力です。
頭をちょっとだけ前のめりにしたり、膝をあまり曲げないで歩いたり、微妙なバランスで真似をします。
また、真似された方の気持ちの洞察力も長けているので、傷ついた人を見たことがありません。
彼には、魚類行動学の研究家としての将来に期待しています。

ところで水族館の話ですから、このままでは終われませんね。
それでは私の魚類の行動観察で、みなさんが「そういえば、そうだよな~」という例を一つだけ紹介します。
金魚は餌を食べる時、底砂を吸い込んでは吐き出しながら、前進していきますが、正面の砂を吸い込んだら、左右に吐き捨てています。
同じコイ科でも左右の砂を交互に吸い込んでは、正面に吐き捨てて前進する種もいます。

好んで見ていないと、いざ説明できるような発見は少ないものです・・。

金魚金魚

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