2011年06月29日
トリーター:杉村

地味だけど・・・とっても大切!


こんにちは、新トリーターの杉村です。
トリーター日誌初登場です!

えのすい航海・採集日誌をご覧になっていただいたみなさんは、初めてではないですね。まだの方は、航海日誌「初島~水曜海山」をご覧ください。
先日 27日、初島沖・小笠原沖の調査航海より無事戻ってまいりました。
12日間の長い航海でした。
ここ数日、じっとしていても体が揺れている「陸揺れ」少し起こしていました。

この調査航海の中でとても印象的で、しかも“えのすい”で見ることができるものをご紹介しますね。
それは、“えのすい”深海コーナーのサツマハオリムシ水槽の水底やハオリムシの周りを広く覆っている「白いもの」です。
「白いもの」って・・・なんだろう?

航海日誌で少しふれていますが、深海の海底はところどころに真っ白な部分があります。
これはたくさんのバクテリアが集まった「バクテリアマット」と呼ばれる今回紹介した「白いもの」の正体です。
なんとバクテリアの集まりだったのです。
このバクテリアは、海底から噴き出る硫化水素やメタンを栄養にして生活しています。
一見すると「コケ」のようで水槽が汚れているように見えますが、化学合成水槽ではこれがとっても大切なんです。
バクテリアたちはハオリムシのような化学合成生物と呼ばれる生き物たちの体内にも共生しているので、水槽内でバクテリアマットが広く見られるということは、生物たちの調子の良い証拠なんですよ。
深海ではこのバクテリアたちが生物の生活を支えています。
ですからこのバクテリアマット、「地味だけど・・・とっても大切」と、いうわけです。

ぜひ、“えのすい”深海コーナーをご覧になる時は、地味ですがこのバクテリアたちにも目を向けてみてはいかがでしょうか?
また、違った世界がご覧いただけますよ。

バクテリアマットバクテリアマット

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-

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