2011年07月01日
トリーター:北嶋

今週のおすすめ


下船しました!
航海日誌最終話はただいま準備中ですので、もう少しお待ちください)
ということで、今週のおすすめはもちろん深海コーナーです。

いちおしは、相模湾初島沖といえばのコレ。
深海フリーク、貝マニアにはたまらない、生ける化石であるシロウリガイが生きた状態で見れちゃうんです。
パッと見、白い何の変哲もない二枚貝のようですが、実は飼育困難生物AAランクの珍種なんです。
シロウリガイの仲間は、およそ 2,200万~ 4,400万年前の地層から化石で見つかっていて、一昔前までは絶滅した貝だと思われていました。
しかし、1976年に東太平洋の深海で熱水化学合成生物群集とともにガラパゴスシロウリガイが発見され、日本でも 1984年に相模湾海底で生きたシロウリガイの群集が初めて発見されました。
まだ 30年くらいしか経っていないんですね。

このシロウリガイは、深海コーナーでたくさんの解説に囲まれていますので、見ていただければ、とても特殊な貝だということがわかるとおもいます。
泥に沈むために厚くて重い真っ白な殻と、赤い血が流れるピンクの体が暗い深海コーナーでもよく目立ちます。
水槽の場所は、深海コーナー右手の化学合成生態系水槽と、その左隣の水槽の 2か所です。
“えのすい”は、シロウリガイをはじめとした深海の特殊な環境に棲む生き物たちの長期飼育研究をしています。
同じ種類でもいくつかの水槽に入れてそれぞれの環境をすこしかえて、どのような条件で飼えば長生きできるのか、水温は?餌は??などを解明しています。
ですから、深海コーナーでも 2か所の水槽にいれているんです。
これまでの最長飼育記録は去年“えのすい”が更新した 100日です。
今回はどれだけ記録更新できるのか?!!

生き物をじょうずに飼うコツの 1つとして、「愛情をそそぐ」というのがあります。(そそぎ過ぎは禁物ですが。)
みなさんもシロウリガイ水槽前にきたら、
「長生きしてね!」
と愛のあるご声援をぜひおねがいします!

シロウリガイ (C)JAMSTECシロウリガイ (C)JAMSTEC

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-

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