2011年07月13日
トリーター:杉村

夏だけど、防寒着。


先日関東も梅雨明けして、いよいよ夏に突入ですね。
毎日暑くて大変ですが、みなさんは体調管理大丈夫ですか?

そんな中ですが、えのすい深海担当トリーターには夏には似つかわしくない必需品があります。
それは、なんと「防寒着」!!
先程、『毎日暑くて大変・・・・』などと綴ったばかりなのに・・・なぜ。

“えのすい”で飼育している深海生物の生活水温は 4℃。
この 4℃を再現するには、飼育水を冷やすクーラーを数台使って温度を保っています。
展示水槽の「化学合成生態系水槽」は、これらの機械を使って再現可能ですが、水族館で飼育されている生き物たちは展示されている生き物たちだけではありません。
水族館の裏側には予備水槽という水槽があって、体調を調整したり、繁殖させたり、長期飼育のための飼育実験などをおこなっています。

特に深海生物の予備水槽は大きさが小さく、数も多いので、それぞれにクーラーを設置することはできません。
そこで登場するのが、「低温室」なる大型冷蔵庫です。
室温を 3℃に設定してあり、数の多い小型水槽を部屋ごと 4℃にして、多くの深海生物を飼育しています。

今はとても暑い日が続いているので低温室に入った瞬間は何ともヒンヤリしていて気持ちが良いのですが、さすがに室温 3℃、すぐに寒さが襲ってきます。
汗などかいていたら・・・
それはもう・・・、
しかもここでの作業は、通常 30~ 60分ほど。
この極寒の中での作業を半袖でおこなうことは辛すぎる!、というわけで、夏でも「防寒着」が必要になるわけです。

深海生物の飼育もなかなか体力勝負ですよ。

ぜひ、深海コーナーへ足を運んだ時はこの裏側で防寒着を着て、震えている作業しているトリーターがいることを思い出してみてくださいね。

ちなみに画像は、各水槽の塩分濃度を測っているところです。

低温室低温室

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-

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