2011年08月14日
トリーター:倉形

ある日の「太平」


現在、ゴマフアザラシ2頭を展示している内の 1頭(体表に黒い胡麻模様が多い)が「太平」です。
もう 1頭は、「ロス」(体表がやや白っぽく黒い胡麻模様が少ない)です。

その「太平」ですが、性格は臆病で甘えん坊、そして自己中心的です。
朝、デッキブラシでプール内を掃除していると、遊んでといわんばかりにデッキブラシに近付き甘えて来ます。
また、給餌時には自己中心振りを発揮することがあります。
早くたくさん自分だけ魚が貰えないと、ブーブーと唸ります。(実際、唸り声を上げているところをみなさんにはお聞かせできませんが想像してみてください。)

日中は、主にプールの中央辺りで後肢を擬岩に引掛けて浮き、水中からお客さま側を覗いたり、居眠りをしています。
そんな状態でいると、一緒に生活しているオットセイの「スバル」が目の前を泳ぎ過ぎるとき、タイミング悪く「スバル」の大きな前肢が太平の鼻面にぶつかり、慌て起きる光景を見かけます。

また、時々プール底で完全に寝入り、微動だにしないこともあり、観覧されているお客さまから、「ゴマフアザラシが死んでいるのではないか?」という連絡を受けることもあります。

そんなことをしつつ過ごしていると、あっという間に 1日 3回ある給餌時間になります。
私たちトリーターがバケツを持って展示舎に入って行くと、「太平」の視線はバケツに釘付けです。
給餌時、健康状態を確認する上で体を触ります。
中でも「太平」が触られると気持ち良くなるポイントがあるんです!!
ついつい目を閉じてうっとりしてしまうんです。
そのポイントは、喉の周辺です。
私が給餌しているタイミングに遭遇した方は、その場面を見ることができるかも知れないので、ぜひ楽しみに水族館に遊びに来てください。

ゴマフアザラシ「太平」ゴマフアザラシ「太平」

ペンギン・アザラシ

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