2011年08月15日
トリーター:今井

ミズダコよ、ありがとう!


お盆は、故人を偲んだり、ご先祖さまに感謝したりする良い機会ですが、水族館には、私たちより寿命の短い生き物が多いので、お別れの体験は日常あります。

私は魚類チームですが、特に繁殖期を過ぎた後に寿命が尽きるような生き物には、最初から覚悟ができてているので、
 「よく頑張ってくれた、
  みなさんを楽しませてくれてありがとう!」
と感謝の気持ちが、すっと湧いてきます。

それでも、展示水槽を空けたままにはできませんから、お別れの前には代わりの生き物を準備してしまうのですが・・・ 。

現在展示中のミズダコの場合には、大きくて個性豊かで、人間を感じさせる動作をするのでちょっと悲しくなります。
ところが、嬉しいかな、このミズダコは春の産卵以降、元気なく体色も薄れていき、梅雨過ぎにはもう駄目か・・・!?という山を過ぎて持ち直してくれました。
この先はどうなるかわかりませんが、飼育動物に感謝する良い機会となっています。

話をこのまま終わりにするのは寂しいので、

・相模湾大水槽には「イセゴイ」という銀ピカの魚が 1尾いて、旧水族館から 28年以上生き続けています。

・バックヤードには“ジャンボ”という名の「アオウミガメ」がいますが、1956年に持ち込まれた時とあまり変わらないサイズで、55年以上生きていますから、いったい何年生きているのか分かりません。
こちらは、バックヤードツアーに参加されると、ちょっとだけ見ることができます。

他には、一旦バックヤードの水槽に移動して次の機会を待ったり、小さな展示水槽から徐々に大きな水槽に引っ越しをしていく場合もありますから、展示替えがあっても全てお別れした生き物とは思わないでくださいね。

ミズタコミズタコ

太平洋

RSS