2011年09月04日
トリーター:倉形

ロス


前回は、ゴマフアザラシの「太平」」について話したので、今回はもう 1頭のゴマフアザラシ「ロス」について話します。
(ロスと太平の見分け方は・・・ある日の「太平」で確認して下さい。)

「ロス」は旧江の島水族館時代に、下田海中水族館からやって来ました。
下田海中水族館で生まれ、今年で 27歳のオスアザラシです。
私が海獣類で最初に担当したのがゴマフアザラシで、「ロス」に会った第一印象は、他個体に比べて気性の荒いアザラシだと思ったことが改めていま脳裏に甦って来ました。

ちょうど私が「ロス」と対面した時季が繁殖期で、他のオスたちを追い掛け回したり、蹴散らしたりという場面が際立って見えたことで、「ロス」は気性の荒いアザラシと思い込んでしまいました。(実際はそうでも無いんですが・・・、この時鰭脚類に接するのが初めてだったせいでしょう。今思い返すと・・・)

そんなこんなで、今ではすっかり年を取った為か?繁殖期になってもブーブー鳴く程度で、一切他個体を追い掛け回したり危害を加える素振りはほとんど見られ無くなりました。

夜間、「ロス」は陸場で寝ていますが、開館してからのお気に入りの場所があるんですよ。
観覧通路側から見て左端(やや暗くなっているところ)で、みなさんにお尻を向けた状態で浮いていたり、完全にプール底に沈んでいたりと休んでいることが多いです。

気が向くと時々プールを泳ぎます。
しかし、1日 3回ある魚が貰える時間だけは、我先にと他個体よりも真っ先に陸場に上がって来て魚をねだります。
この瞬間だけを見ていると、以前の若かりし「ロス」に戻ったような気がします。

ゆったりムードで1日を過ごしている「ロス」に会いに来て、みなさんも一緒に和んでください。
お待ちしております。

ゴマフアザラシ「ロス」ゴマフアザラシ「ロス」

ペンギン・アザラシ

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