2011年11月07日
トリーター:笠川

水中イルミネーション、その体は儚く・・・


今回はまさに“神秘的”“幻想的”“儚い”といった言葉がぴったりくるクラゲの仲間をご紹介したいと思います。

そのクラゲの仲間は、クシクラゲ類です。
毒をもつ刺胞動物のクラゲとは違い、このクラゲの仲間は有櫛動物の仲間になります。
毒を持たないクラゲなんです。
特徴といったら、櫛板(くしいた)と呼ばれる板状のものが体の表面に列になっているところで、この櫛板が光に反射するとキラキラと光って見え、何とも幻想的に見えるクラゲです。
水中を漂うイルミネーションのようです。

今まで、クラゲファンタジーホールでもこのクシクラゲの仲間は何種類か展示しています。
一番お目見え回数が多いのは、カブトクラゲとウリクラゲでしょうか。
他にもいくつか展示していますが、今回、なんと初展示のクシクラゲの仲間がお目見えです。
現在展示しているカブトクラゲの水槽の中に一緒に入っています。

その名もツノクラゲ!!

体の表面全体にぷつぷつと角状の突起がたくさんあるのが特徴で、体長 20cmに達する大形種です。
ピロロロローンと伸びる糸状の触手がありますが、毒はありません。
その代わりに、触手の表面には粘着細胞があり、これで餌となるプランクトンなどを捕まえます。

このツノクラゲはどこからやってきたかといいますと、伊豆の海で採集されたものです。
魚チームのトリーターが魚採集に出掛けた際に、お土産で持ち帰ってきてくれました。

伊豆の海をよく知るトリーターいわく、良い風がふくと、次の日には結構高い確率で、クラゲロードのように帯状に水面に漂うクシクラゲの仲間を発見することができるんだよ!
(思わず)マジですか!?
でも、あとで捕ろうと思って後回しにしていると後の祭り・・・
流れにのってどこかへ消えてしまい、どこにも見当たらなくなってしまうので要注意!

あと、このクシクラゲの仲間は非常に軟弱でデリケートなクラゲで、網で捕ろうとすればボロボロに崩れてしまい、採集が難しい種類です。
捕まえるときは水ごとそっと優しく。

とても軟弱がゆえ、儚いクラゲですが、実に神秘的で幻想的なクラゲです。
ツノクラゲはいつまで展示できるかわかりませんが、“えのすい”初展示なのでぜひ早めに見に来てください。

実は、今日も伊豆の方へ魚チームが魚採集へ出掛けています。
お土産が楽しみです。
何クラゲが捕れたかな。

※ツノクラゲの展示は終了いたしました。

クシクラゲクシクラゲ

クラゲファンタジーホール

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