2011年11月13日
トリーター:伊藤

黒い 3マグロ、大水槽を疾走


現在、相模湾大水槽ではクロマグロが 3個体暮らしています。
サイズは 40cmくらいとまだまだ小ぶりですが、弾丸の様なきびきびとした動きは、マサバやカンパチがゆったり思えるほどです。

このマグロたち、大水槽に出すまでの間、バックヤードでケアをして、やっと出せたので、嬉しさもひとしおです。
バックヤードでは 3個体を個体識別して、餌食いや動きをチェックしました。
身体の黒ずんだ「クロ」、
体側に傷あとのある「キズ」、
綺麗な体色の「アオ」。

嬉しくも意外な事に、「クロ」と「キズ」は搬入して数日後には、解凍イカナゴ(サンマをさらに細くしたような魚)を水槽に落とすだけで食べるようになりました。
しかし、「アオ」はなかなかに頑固。
生きた魚を餌に入れると、あっというまに食べるのに、イカナゴは食べません。
棒の先にイカナゴをつけて、生きているようにヘラヘラ動かすと、
「おっ食べるか!?」
と思わせるほど近づいては来るのですが、鼻先数センチのところで気付いて、そっぽを向くのです。
よっぽど餌をよく見ている(感じている)ようです。
私が魚だったらもう騙されて食べてますね。
マグロにも個性があることに感心し、一飼育係としても、よい勉強になっています。
きっと、「アオ」のような個体が、自然界では歴戦のマグロ漁師さんたちの仕掛けを見破り続けて、巨大な怪物サイズになるのかもしません。

ただでさえ長期飼育が難しい回遊魚の中でも、マグロは特に難易度が高いものですが、水族館にやってきた個体たちをぜひ長期飼育して、みなさまにお見せしたいと思っています。

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