2011年11月18日
トリーター:杉村

今週のおすすめ


今週のおすすめは、ゴエモンコシオリエビです。
ゴエモンコシオリエビの展示は 2006年 4月の初展示から約 5年経ちますが、なんと今回が初の単独展示となりました。
単独展示を行ったゴエモンコシオリエビは、今年 9月の末におこなわれましたJAMSTEC調査航海「沖縄トラフ伊平屋北海丘調査」の水深 1005mで長期飼育研究のために採集されたものです。

雪のように白くてきれいな体が特徴的なので、その白が映えるように水槽全体を黒を基調に仕上げてみました。
黒い中に彼らの白い体が際立って見えていればうれしいです。

このゴエモンコシオリエビは、いったいどんな生活しているのでしょう?
それは・・・
水深 700~ 1600m、水温 4℃の深海で生活する熱水噴出域固有の生物で、真っ暗な深海の熱水噴出口周辺におり重なるように、おびただしい数の仲間が密生しています。
まるで深海に広げられた真っ白い絨毯のようです。
噴き出る熱水に含まれる硫化水素などを利用する化学合成細菌をフサフサの胸毛に繁殖させ、一番下に付いている短い脚を使ってかき集めて食べています。
餌の少ない深海で、その環境を巧みに利用して生活していることが分かります。
さしずめ深海の養殖家といったところでしょうか。
“えのすい”でも人工的に硫化物を添加して、餌となる化学合成細菌をいかに繁殖させるかを飼育研究しています。

深海コーナーの大きな水槽でハオリムシやオハラエビの仲間と一緒に展示している個体は、展示を始めて現在 2年 3か月が経過しています。まだまだ、更新中です。
今回展示したゴエモンコシオリエビたちもこの先輩たちに負けないよう 1日でも長く飼育できるよう、さらに研究を続けたいと思います。

ゴエモンコシオリエビゴエモンコシオリエビ

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-

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