10日の朝の飼育員事務所。
こんな話題で、なんとなくゆるやかに盛り上がっていました。
（注：ちょっとアレンジしています）

「あ！きょうの当直（※）、誰っすか？」
（※当直：宿直といったらいいでしょうか。毎晩、トリーターが交代でこの任務に就きます。生きものの確認が主な業務です。）
「ワシや。」
「きょうは天気いいから、よく見えるんじゃないすか？！」
「11時頃ですよ。」
「ちょうど見回りの時間っすね。」
「うん。見回りの時、見る。」
（補足説明します。水槽と水槽の間の外の通路を移動中に、見る、というお話です。）
「？？」
「きょう、皆既月食ですよ。」
「えっ？きょう？そうだったんだ～。チェックしてなかった・・・しまった・・・」
「え？もう始まってるんですか？」
（たまたま、モニターがテレビ設定になっていて、朝のニュースが流れていました。）
「ちがう、ちがう、これ、昔の映像。」
「きょうの夜、夜。」
「え？ここから見えるんですか？」
「結構、日本中で見えるらしいよ。」
「へえ～！」
「あ～、きょうは大潮なんやな～。」

時刻は8時20分。
流れ解散しながら、みな、朝のラジオ体操をしに、外のタッチングプールの周りにわらわらと出て行きました。

みなさんは、10日の皆既月食をご覧になりましたか？
私も、家から観ました。
よく晴れていて、冬の星座もきれいに見えましたね。

さて、当直のUさんはというと、
「ちょうど月のところに雲があって見えんかった・・・」
という、残念なことになってしまったそうです。
ちょうど太陽のところに雲があって見えなかった、2009年の皆既日食 in 奄美大島を思い出してしまいました。
仕方が無いことですが、やっぱり、ちょっと・・・かなり、残念なので、リベンジを狙っています。

まあ、それはいいとして・・・ 。
朝の会話の最後、「あ～、今日は大潮なんやな～。」の通り、月食が起こる時の月は満月で、地球との位置関係から、海の満ち引きもほぼ最大になる大潮となります。
冬の大潮では、夜にたくさん潮が引きます。
この冬から春にかけての展示水槽には、その大潮の日の夜を狙って私たちトリーターが採集してきた生物も登場するかもしれません。
寒いのは覚悟で、夜の海に繰り出したい気持ちが湧いてきてしまうのは、月の魔力なのでしょうかね？