2012年05月22日
トリーター:根本

生きろ!サクラエビ! その 1


悪天候に見舞われ続け、やっとこすっとこ乗船できたサクラエビ漁。
一年越しで再びチャレンジの時がきました。
昨年の初チャレンジで見えてきた事、それは…
「弱いエビでは無い!むしろ強い!」
ということ。
飼育に関してはほとんど情報がなく、唯一具体的な情報が書かれていたのはウィキペディアの

「「輸送中、水槽が酸欠になりやすい」「輸送のストレスで有毒なアンモニアを発生しやすい」などの理由で、静岡県外などで生きた桜海老を入手するのは困難だったが、「酸素のナノバブルを水中に増やす」、また「アンモニアを分解して窒素を取り除く微生物を利用する」などの対策によって、試験段階ではあるが、数日間程度なら生かしたまま輸送することが近年では可能になってきている。」

という一文のみ。

これを参考に、去年は数匹ずつ袋に詰めて、中にはアンモニア吸着材として活性炭をいれ、さらに酸素でパックして輸送した。同時にただのタンクのような入れ物に入れて輸送する方法も試したが、どっちも元気!保冷したものと常温のものでもなにも違いはない。意外と生命力の強い生き物なのです!

ただ・・・、ヒゲ(触覚)だけは恐ろしくモロイ。

触るだけでブチブチ千切れる・・・。触らなくてもエビ同士がからまって切れていることも・・・
網ですくうなど論外。輸送の常識のエアーストーンでのエアレーションもサクラエビにとっては拷問器具です。ヒゲがチューブに絡みつくらしく、全てのエビのヒゲが絡みつき、エアチューブはヒゲでボーボーになってしまうほど・・・。そしてヒゲが切れるとサクラエビはうまく泳げなくなってしまうのです・・・。

つまり、重要なのは「いかにヒゲを切らずに持ち帰ることができるか」なのです。

そこで! 今回はなんと 1匹ずつ袋に詰めて、大事に大事に持って帰って来ました。
そして、エビ同士で絡まないようにするために 1匹1匹別々の容器で飼育します!水も東伊豆の赤沢にあるDHC海洋深層水研究所から分けていただいた海洋深層水!
準備は万全! さあ、生きてくれよ~!

サクラエビサクラエビ

※サクラエビの展示は終了いたしました。

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-

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