2012年06月01日
トリーター:加登岡

出産


6月 1日の夜中にバンドウイルカの赤ちゃんが産まれました。
この日は丁度当直だったので、出産に立ち会うことができました!

バンドウイルカは出産が近くなると体温が下がります。
いつもの「ルイ」の体温が 36℃代なのに対し、その日は朝から 35.5℃と低く、
「きょう出産するのでは?」
とスタッフもそわそわし始めました。

夕方も体温が 35.5℃だったため、獣医と「ルイ」の担当者、そして当直の僕の三人で出産に備えることに。
交代でブリーディングプールの前に座り、「ルイ」のようすを観察していました。
異変が起きないか注意深く観察し、また他のイルカの動きにも注目しました。

21:30に尾びれの一部が出始め、それからわずか 10分後、尾びれが完全に出てきました。
産まれた瞬間子どもは呼吸をする為に水面に上がってきます。
産まれてすぐは泳ぎも下手なので、壁に激突したり、プールから飛び出したりしないよう、トリーターがプールの四隅に立って万が一に備えます。
連絡を受け、後から来たスタッフも合流し、プールの四隅で待機!

そして、22:26 赤ちゃんが無事産まれました。

赤ちゃんは勢いよく水面に上がってきて、初めての呼吸をし、ぎこちない泳ぎでプールを泳ぎ始めます。
お母さんの「ルイ」もすぐに駆け寄り、ぴったりついて泳ぎます。
壁にぶつからないように、子どもを内側に入れて泳がし、背中に乗せてあげるように呼吸をサポートします。

去年産まれた「ホープ」は尾びれが出始めてから 3時間で出産したので長期戦を覚悟していましたが、今回は 1時間弱での出産だったためほっとしました。
夜間は暗くてほとんど見えなかった赤ちゃんの姿も日の出とともにはっきりと見えるようになり、お母さんの母乳を飲む姿も確認できました。
赤ちゃんがお腹をこちらに向け、メスである証拠の乳腺が確認できた時には、周りのスタッフで、
『メスだ!!』
と盛り上がりました。

現在、イルカショースタジアムの一番奥にあるブリーディングプールで、お母さんの「ルイ」にぴったりくっつき元気に泳ぐ赤ちゃんの姿を見ることができます。
ぜひ赤ちゃんを見に、“えのすい”に遊びに来てください。

赤ちゃん(左)に寄りそうルイ(右)赤ちゃん(左)に寄りそうルイ(右)

イルカショースタジアム

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