今月の 1日に“えのすい”に新しい仲間が誕生しました。
それは、バンドウイルカの赤ちゃんです！！
現在、イルカショースタジアムの一番奥にあるブリーディングプールで生活しています。

今回、赤ちゃん誕生の瞬間を運よく観察することができたので、みなさんにお伝えします☆

バンドウイルカの妊娠期間は約 1年といわれています。
お母さんのお腹の中でゆっくり成長し、大きさは約 130cmくらいで産まれてきます！
私たちと同じ哺乳類なので、お母さんのお腹の中で赤ちゃんとお母さんはへその緒で繋がっています。
産まれた時からちゃんとイルカの形をしていて、産まれた瞬間から泳ぎ始めます＾＾！！（以前、赤ちゃんはイルカの形で産まれてくるんですか！？と聞かれたことがありました＾＾）

今回誕生した赤ちゃんのお母さんは「ルイ」です。
妊娠前まではショーで大活躍していたメンバーです！
現在ショーで参加している「ミレニー」のお母さんでもあるんです！
「ルイ」と「ミレニー」がお腹を合わせて泳ぐ姿はとっっってもかわいいんです☆☆！
「ルイ」は、ショーも子育ても大ベテランなんです＾＾

出産前日の 5月 31日、いつものように朝「ルイ」の体温を測ってみると、35.8℃と、いつもより少し体温が低かったんです。
イルカたちの出産の前兆として、出産の直前に体温が下がるんです。出産当日の 6月 1日の朝には、35.5℃と、更に低くなりました。

そして閉館後、スタッフみんなでブリーディングプールを観察していると、陣痛がきている行動が観察されました。
上下に立ち泳ぎをし、その後お腹をぐ～っと丸めて、水面を浮いている状態が続きました。
お腹痛いのかな～と思い、トリーターみんなで、
「ルイ頑張れ～！！」
と見守っていました。
イルカたちの出産を私達が手伝うことはできないので、ただ見守って応援することしかできません。

陣痛が続いても、まだ産まれる気配は無かったので、私は 1度帰宅しました。
家に帰ってからも「ルイは大丈夫かな～」と考えていました。
そんな時、21:30頃、当直のスタッフから、
「ルイの出産が始まりました！尾びれが出てきてます！」
と連絡が入り、私は急いで水族館に向かいました！！

ブリーディングプールに到着してみると、赤ちゃんの小さな尾びれが出ていました！！
尾びれが出始めても、誕生するまではかなりの時間がかかることがあります。
そのままの状態が続き、少しずつ赤ちゃんの体が出始め、
22:26 ついに！！！
私たちが見守る中、赤ちゃんが誕生しました☆！
尾ビレが出始めて 1時間弱、とても安産だったと思います。

誕生の瞬間、「出た！」と声がすると、プールの中は 1度騒がしくなりました。
赤ちゃんが誕生しても、ちゃんと呼吸ができなければ赤ちゃんは死んでしまいます。
トリーターが必死で「ルイ」と赤ちゃんの姿を探します。
水面が波立っている中、初めての呼吸を確認できました。
その後も「ルイ」が赤ちゃんを水面まで誘導し、じょうずに呼吸をしていました。
この段階で、トリーターは少し安心です。

しかし、まだまだ油断はできません。
赤ちゃんは泳ぎがじょうずではないので、壁にぶつかってしまうかも・・・とか、もしかしたら一緒に泳いでいる仲間に攻撃されてしまうかも・・・！？など目が離せない状態です。

でも、「ルイ」はベテランのお母さん☆！！
私たちの心配を消し去るかのように、赤ちゃんに寄りそい、ゆっくり泳いでいました。

私が入社して、初めて担当したのが「ルイ」だったんです。
そんな「ルイ」の出産に立ち会えて、私はとても嬉しい気持ちでいっぱいです。
誕生してから半月がたち、「ルイ」のミルクを飲んで赤ちゃんは順調に成長しています。
子育てじょうずな「ルイ」なので安心して見守っていられます。
そしていつかまた「ルイ」と赤ちゃんとショーに出れる日が来ることを楽しみにしています。

これからの「ルイ」と、赤ちゃんの成長を一緒に見守っていてください☆
ちなみに「ルイ」の赤ちゃんはメスでした！
これからもっとかわいい姿を見せてくれると思いますよ＾＾