2012年09月02日
トリーター:倉形

生物採集


水族館で展示飼育している生物は、いろいろな方法で集められています。
業者から購入したり水族館同士で交換を行ったり、また生息すると思われる場所へ行き、釣りやタモ網(通称:ガサガサ)で採集します。
こういう採集方法を自家採集と言います。海では、時に素潜り等でも採集します。

特に自家採集は、その生物を飼育する上で大変重要な意味を持つものであります。
その生物が暮らしている環境を知るということは、水族館で生態展示をおこなう際の重要なヒントになります。
例えば、水質や水温、餌となる物やその周辺に生えている植物など、それらを把握することにより、良い状態で生物たちを飼育するための環境を水槽で再現させられるのです。

また、環境に馴染み安住の地を得た生物たちは、繁殖行動や産卵行動などを来場されたみなさんにもご覧いただくことが可能となります。

当然、私たちはむやみやたらと生物を採り尽くすことはしませんし、自然保護の観点からもきちんとした展示計画の下、採集個体数を確認しつつ採集を実施しています。

展示生物がどこから来たのか想像しながら観察してみるのも楽しいかもしれませんね。
また、興味を持った生物がいれば、ぜひトリーターに質問してください。
生息環境を知っていただき、保全につなげることも水族館の大事な役割なのです。

相模湾大水槽相模湾大水槽

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