2012年11月07日
トリーター:植田

本日、湘南エリアは霧の朝でした


11月 7日本日の早朝、“えのすい”のある湘南エリアは珍しく濃い霧に包まれました。
私は水族館まで私鉄を使って通勤しているのですが、この霧のため列車はいつもより速度を落として運転していて、7分ほど遅れが出ていました。とても珍しいことです。

霧は空気中の水蒸気が何らかの理由により急に冷やされて、細かな水滴となって空気中に漂っていることですね。
空の上だと、それは雲と呼ばれるものになります。ですから、海中では霧は発生しませんね。
しかし水の中に霧が発生したように視界が悪くなる-濁ることがあります。

例えば、付着性の動物が一斉に産卵と放精をするような時にそのようなことが起こります。
当館の相模湾沿岸水槽の並び、最も浅い水深を再現する水槽にマガキを展示してた折のことです。
マガキを新しく展示するためその水槽に入れた時、しばらく空気中に置かれた後海水に入れられたことが刺激となって、一斉に放卵と放精を始めました。
しばらくすると、その水槽の容量が 1tと小振りであったことも影響して、その水槽内がたちまちミルクを溶かしたように白く濁ってしまいました。
マガキは通常夏季に産卵するようですが、突然の環境変化に刺激され(これが同じ所に生息する同種の多個体の繁殖開始のキューとなっているようですが)、体内に保有していた卵や精子の一斉放出となったようです。
水槽という観察しやすい場所でしたので、しばらくの間こちらのカキからも、あちらのカキからも次々と噴出する卵や精子を見ていたことを覚えています。

マガキ放卵・放精マガキ放卵・放精マガキ放卵・放精マガキ放卵・放精

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