みなさまこんにちは。
出張に出ており、数日ぶりに担当の水槽を見てみると、サンゴ水槽の主、ナポレオンことメガネモチノウオが、3つ隣のチョウチョウウオ水槽に移動していて、驚きました。

本種はベラの仲間最大種で、2ｍ以上に成長することもあります。
おっとりとした動きで、人にも慣れやすい性質を持ち、水族館のみならず海のダイビングスポットでも人気者です。

さらに驚きなのが、広いサンゴ水槽で自在に泳ぐ本種を、小柄な女性トリーターである佐野さんが一人でとらえた、という点です。
佐野さんや現場で立ち会っていた植田さんいわく
「何度も頭の中でシミュレーションして、うまくいきました！」
とのことですが、いうほど簡単ではないでしょう！
まだ幼魚とはいえ結構なサイズの魚体です。何とか抱きかかえたとして、本気で暴れられれば、こちらもただではすみません。
見ていないのであくまで想像ですが、生まれつきの心根の純粋さと「うおゴコロ」で培った魚と心を通わせる技で、魚の警戒心を解き、魚の方がとり上げられることを受け入れたのではないでしょうか。

そう考えざるを得ない根拠がもう一つ。
移動先のナポレオンは体に傷一つなく、餌もよく食べるのです。
移動時に暴れず、ストレスを受けていない証拠です。
まったく、偉業の現場に立ち会えなかったことが悔やまれます。
順調に育てば、いずれ今の水槽では狭くなるでしょう。
その時まで、ナポレオンと仲良くなっておこう、と思っています。