2013年09月13日
トリーター:植田

展示をちょっと変えました

ギンガハゼとテッポウエビギンガハゼとテッポウエビ

私が担当している水槽の中に「今上陛下のご研究」の魚類部分があります。

今上陛下はハゼ類の分類学的研究を数多く行っていらっしゃいますが、当館ではこのコーナーでハゼ類の展示をおこなっています。
ハゼ類と一口に行っても、現在最も信頼性の高い魚類関連書である「日本産魚類検索 全種の同定 第三版」(東海大学出版)には日本の河川・湖沼それに近海のものを併せて 518種が記録されており、日本産魚類は 4,213種が記録されているので、そのおよそ 12%にあたる種類がハゼ類(ハゼ亜目)ということになります。

このように大きな一群をなすハゼ亜目の魚たちの中には多様な形と生活様式を身につけたものたちがいます。共生ハゼもその一つです。
彼らは主に砂質の海底に穴を穿って生活するテッポウエビ類と共生しています。視力の弱いテッポウエビに代わり、共生ハゼたちはテッポウエビの巣穴周辺で見張り役を務めます。
捕食性の魚など危険と思われるものが巣穴に近づくに従い、ハゼはひれを小刻みに振動させます。この動きを触覚で感じ取ったテッポウエビは危険を避けるために巣穴に逃げ込むのです。

この共生ハゼであるギンガハゼやヒレナガネジリンボウを「今上陛下のご研究」のハゼ水槽の一つで展示しています。
9月 9日より共生ハゼの展示水槽をそれまでの小振りなものからより大きなものに変更しました。今では 3か所以上のテッポウエビの巣穴で見張り役をするギンガハゼとヒレナガネジリンボウを観察していただけます。

皇室ご一家の生物学ご研究

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