2013年12月21日
トリーター:笠川

指ぬきかカヌレか

シンブルジェリーシンブルジェリー

「お菓子のカヌレに似ていますね。」

常連のお客さまがそのクラゲを見ておっしゃいました。

「確かに!?」

そう聞くまで私たちは、指ぬきだと思っていました。だって、指ぬきクラゲっていうじゃない、名前が。
カヌレなんておしゃれなお菓子に馴染みがなかったもので、初めてそのクラゲを見たときも、全くピンときませんでした。でも、カヌレって聞いたらカヌレにしかもう見えません。
私の中で、裁縫のときに使う庶民的な“指ぬき”から、一気にフランスのおしゃれなお菓子に昇格したそのクラゲの名は、英名で「シンブルジェリー」といいます。直訳すると“指ぬきクラゲ”です。

このクラゲ、実に不思議です。

このクラゲは、ポリプの状態でドイツのベルリン動物園水族館からいただきました。
このポリプがまぁ~不思議。なんとキチン質の鞘の中に入っているのです。見た目はただの空洞の枝のようなもの。
世話をしていても生きているのかも死んでいるのかもよくわからない、こんなものからエフィラが出てくるのか本当に半信半疑でした。もうダメなのかね、なんて諦め始めていました。
そんなある日、エフィラが出たんです。信じられませんでした。でも確かに出ました。

それから何度かエフィラは出るものの、展示サイズまでは育たず、今回始めて 2㎝ほどまで成長して、お目見えとなりました。“えのすい”初展示です。
おそらく他の水族館ではあまり目にしないクラゲでしょう。いつまで展示できるかはわかりませんので、ぜひ、興味を持たれた方はお早めに。

さて、あなたはどう見るか?!“指ぬき”か“カヌレ”か。
シンブルジェリーは、クラゲファンタジーホールとクラゲサイエンスで展示しています。

※短期間の展示となる可能性がございます。ご了承ください。

動画
[泳ぐカヌレ!? シンブルジェリー]

クラゲファンタジーホール

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