2013年12月31日
トリーター:崎山

今年もあとわずか

クラゲプラネットクラゲプラネット

1年間ありがとうございました。
今年もわずかとなりましたが、みなさんにとって今年はどんな 1年だったでしょうか。

“えのすい”はこの 1年、クラゲに注力してきました。
クラゲのAさん(当館の生きものの中でテレビ露出度No. 1!)を中心に本当に、突っ走ってきた、という感じです。

クラゲ展示数 50種。現在は 45種ほどになっていますが、この数、内輪の人間がいうのもなんですが、本当にすごい数字だと思います。
水族館の飼育係の場合、採集や繁殖だけではなく、トータルの意味で水槽を切り盛りしていかなくてはなりません。
当館では地先や近隣での採集ものだけでクラゲ展示を成り立たせるのは難しいため、国内外の水族館や研究者の力を借りて、クラゲやポリプを入手し展示に供しています。
先のAさんの人柄、人脈が世界中のクラゲを集める原動力となっています。

7月のリニューアルにあたっては、新しいチャレンジ水槽を立ち上げました。
クラゲファンタジーホールの「クラゲプラネット」です。
当館ホームページのトップ画面の動画に出ている、まるい球形の水槽です。
この水槽は飼育しやすいものを、というよりは、形、デザインありきでスタートした水槽です。
数年前からこの形状の水槽イメージはあったのですが、実際つくるとなるといろいろな課題を解決する必要がありました。
クラゲ飼育にあたっては濾過循環の仕方に注意が必要です。うまく流れをつくること、それから濾過槽への戻り部分にクラゲが吸われないようにすることが重要です。
クラゲプラネットでは濾過槽からの飼育水は水槽下方から吹き出されて、上部からあふれさせて再び濾過槽に戻しています。
単純な作りですが、ちょっとした工夫もされています。

お客様側に水をあふれさせているところが無茶なところであり、面白いところでもあります。
水が流れていてクラゲが見づらいという意見もあります。実験段階では水槽表面全体に水を流すのではなく、水路を作って一部を流したりする案もでました。
しかし、水がないとアクリル面に周囲の光が映りこんでしまい、話になりませんでした。
運営面では、オープン当初にお客様が上部から流れ出る水をさわって、水槽周りがびしょびしょになっていました。行くたびに職員が拭いていました。
最近はロープパーテーションを立てているため減りました。

ライティングも苦労しました。
この水槽の上にはブラックライトで照らされたミズクラゲの模様があります。
水槽のライトが強すぎると、それが消えてしまい、暗すぎると水槽内のクラゲが見えないのです。
ちなみにこのライト、少しずつ色が変わっています。
その他いろいろ苦労をしてどうにか完成したクラゲプラネット。
まだ課題もありますが、今年の“えのすい”の集大成の水槽といえると思います。
ご覧になったみなさん、いかがでしたか。
まだの方はぜひ年明けにどうぞ。

さあ、来年は午年。
新たな気持ちで走りだしましょう。それでは良いお年を。

クラゲファンタジーホール

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