2014年02月10日
トリーター:鈴木

職業人に聞く

こんにちは、鈴木です。
今回はちょっと日誌らしいことを書きますね。

実は私恐縮ながら、今月 2月 6日に藤沢市にある中学校、村岡中学校に講師として講演に行かせていただきました。(講演というと何だかとても立派に聞こえますが、教室で少し話をさせていただいた程度なんですが・・)
この村岡中学校では一年生の進路学習の一環として、年一回、さまざまな分野の職種の方を招いて「職業人に聞く」というタイトルの講演会をおこなっているんです。話を聞くと村岡中学校だけでなく、形や対象学年は違えど藤沢市の中学校では総合学習の中の進路学習の一つとしてこのような講演をおこなっているとのことでした。目的は「職業」や「働くこと」について考え、実際に働いている人たちの話を聞くことで、今後の進路や職業の選択、さらに生き方を考えていくことへの参考としていく、といった素晴らしい内容になっています。

私も中学生の頃同じようなことがあった記憶があるのですが、こんなにしっかりとしたものではなかった気がします・・。羨ましいですね・・。
そしてこの度、“えのすい”にも声がかかり、水族館の飼育員(海獣トレーナー)として私が話をさせていただいたというわけなんです。話すのは苦手ですがこういった夢に向かう方々の前で話をできるというのは、私自身もとても良い刺激になりますし、個人的に大好きで大変嬉しい仕事でした。

今回は私を含め 8つの職種の方が招かれており、私の飼育員以外では美容師さん、大工さん、サッカーチームのスポーツスタッフさん、製薬会社の研究員さん、保育士さん、警察官、医師・看護師さんが来ていました。どれも興味深く、私自身がぜひ話を聞きたい職種の方ばかりでした。やはり羨ましいですね・・。
そして生徒のみなさんはこの 8つの中から興味のあるものを2つ選び、2コマの授業時間の中でそれぞれの話を聞くことができるというものになっています。

当日、講師控室で待っていると誘導役の生徒さんが呼びに来てくれました。ドアをノックし、「新江ノ島水族館の鈴木さんお願いします」と呼ばれ、教室まで案内してくれます。
驚いたことに、この授業は総合学習の一つでもあるので、生徒さんたちは座って話を聞くだけではなく、司会係(進行・講師紹介・はじめの言葉・おわりの言葉)、会場係(講座会場の設営・復元)、誘導係(講師の誘導)とそれぞれ役割を持っており、当日、先生は補助程度でほとんどでてこず、生徒さんたちが全ての運営をおこなうのです。
さすがといいますか、徹底しているなと感心しました。
余談ですが、教室に案内される間、やはり、昔の自分もそうでしたが小学校、中学校時代は先生以外の知らないおとなが来るとみんな大注目で、教室までの道のりがだいぶ恥ずかしかったです・・。

教室に入ると、椅子のみを前に残し机は後ろに下げられ、笑顔で生徒さんたちが出迎えてくれました。黒板には私の名前が書かれており、じょうずにイラストなどでかわいらしく飾られていました。
司会進行役の生徒さんが進行を始め、講師紹介をしていただき、はじめの言葉をいただきスタートです。

今回は海獣のトレーナー(飼育員)という仕事を中心に、水族館の役割や飼育員の仕事、将来のアドバイスなどについて、クイズを交えながらパソコンを使い話をさせていただきました。中学校一年生という私自身あまり話した経験の無い年代だったので、どんな反応があるかとても不安だったのですが、ほとんどどのみなさんが“えのすい”に来たことがあるといい、とても暖かい雰囲気で話しをすることができました。
そして、話が始まるとみなとても真剣に熱い眼差しを向けながら、たくさんのメモを取りながら聞いてくれました。おかげで本当に楽しく話すことができました。みなさん本当にありがとうございました。

最後に終わりの言葉をいただき退室です。控室までもしっかりと誘導役の生徒さんが付いてくれます。生徒のみなさん、この度は大変スムーズで気持ちのよい進行をどうもありがとうございました。

恐らく飼育員という人種は大抵そうかもしれませんが、そういった熱い眼差しや気持ちに触れると俄然やる気が出てしまうんです。当然その結果・・、大幅に持ち時間をオーバーしてしまい、ご迷惑をかけてしまいました・・。
生徒のみなさん、先生、本当にすみませんでしたm(__)m
謝りついでにもう一つ・・。
実は持ち時間を大幅にオーバーしたにも関わらずさらに時間が無くなり省いてしまったのですが、本当は最後に伝えたかったメッセージがあったんです・・。
これは、私がこの仕事を目指し、この仕事に就いた今でも私を動かす原動力になっていることで、是非これから色々な夢を目指す皆さんに話したかったことなんです。
私事で大変申し訳無いのですが、この場を借りて村岡中学校の一年生の皆さんへ、その贈りたかった言葉を最後に書かせて下さい。

『僕がこれまで生きてきた人生を振り返ってみて一番良かったことは、夢を持ち続けられたことです。夢があったからこそここまで迷わず来られたのだと思います。
小さい頃は手の届かないところにある夢でしたが、高校・大学と進学し夢に向かって努力するにつれて夢がだんだんと近づいてきました。そうなると飼育員になりたいという夢は通過点(目標)に変わり新たな夢が出てきました。次の夢は大学生での水族館の実習時代に出会った憧れの飼育員さん達のように、日本の水族館を背負って活躍できる飼育員になりたいというものでした。
そして、今その夢に向かって努力し、少しずつですが前進する中で、今度はさらにもっともっと大きな夢が出てきました。それは自分の水族館をつくりたいという夢です。(こんなことを言うとえのすいに怒られてしまいそうですが、その夢の過程の達成項目の中には「えのすいを世界一の水族館にする」という項目もあるので・・まあ、いいですよね(笑))

こんな風に、夢は持っていればどんどん更新されていき、いつの間にか最初よりもっともっと大きくなるものです。そうやって夢は目標となっていつも自分を挑戦させてくれて、励まし応援してくれます。言わば最高のパートナーです。夢をもつタイミングはいつでもいいんです。ただ、もし夢を持ったら是非その夢にチャレンジしてみて下さい。夢を目標にして諦めずに頑張れば必ず夢は叶うはずです。少なくとも水族館の飼育員はそうでしたよ!(^^)/(笑)経験済です。僕もまだまだ夢の途中です。一緒に頑張りましょう!
もしもこの先、水族館の飼育員になりたいという夢を持った方がいたら是非お待ちしています。そして、いつか日本の水族館を背負う仲間として、一緒に働ける日を楽しみにしています!』


以上です。
この日誌を私の話を聞いてくれた生徒の皆さんが見てくれていたら嬉しいですね。

最後になりますが、村岡中学校の一年生の皆さん並びに担当の職員の皆様、本当にありがとうございました。準備をしている時から本当に楽しく、自身の原点を再確認できた私にとっても大変有意義な時間でした。この様な素晴らしい場を与えて下さりありがとうございます。また誘って頂けた際はさらにバージョンアップしたものを準備していきますので、是非またよろしくお願い致します。
そして、是非えのすいにも遊びに来てください。お越しの際は私にも声をかけて頂けたら嬉しいです!(^^)/
皆様とまた会えるのを動物たちと共にえのすいで心待ちにしております。

今回はだいぶ私的な内容になってしまい申し訳ありませんでした・・m(__)m
それでは失礼いたします。

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