2014年09月19日
トリーター:足立

今週のオススメ

コブヒトデコブヒトデ

星ときゅうりといたずら坊主

童話のタイトルみたいですが、それぞれ英語にすると、
Star fish、Sea cucumber、Sea urchin。
ヒトデとナマコと、ウニのことです。
これらは、棘皮動物というグループの生きものたちです。
ちなみに、‘urchin’というのは、この場合はハリネズミのことで、本当はその方がわかりやすいですね。
でも、学生の頃、ウニを研究テーマに選んだ同級生が、この‘urchin’という単語の意味を英和辞典で調べてみたら、1番に「いたずら坊主」とか「わんぱく小僧」などという解説が出ていたので、もう楽しくなってしまって、3番ぐらいの「ハリネズミ」を読む前に、「うわー、ウニって海のいたずら坊主だって!」と、つい叫んでしまいました。
おかげで私も「ウニ=海のいたずら坊主」が、頭の中に強烈にインプットされたまま、今に至ります。
ハリネズミもかわいいですが、海のいたずら坊主なんていわれると、海の中でどんないたずらをしでかしているのか、そのわんぱくぶりが、とても気になりませんか?

さて、「宇宙」がテーマの9月のテーマ水槽では、いま超巨大な海星(ひとで ← 漢字ではこう書きますね)がものすごいインパクトを放っているので、今週はこのヒトデの仲間「棘皮動物」の観察をおススメします。
ヒトデ、ナマコ、ウニといえば、みなさんもなんとなくイメージのできる生きものだと思いますが、水族館では、なかなか主役になることのないグループかもしれません。
その理由は、動かないから?地味だから?グロテスクだから?

動かない?
いいえ、少し動きます。この「少し動く」というのが彼らが生きていくうえでの作戦。とても省エネな生きものなのです。

地味?
いいえ、色も形もなかなかアートな生きものです。腕が 5本だったり、5角形だったり、偶数ではない、素数の‘5’という数字がキーナンバーです。

グロテスク?
見方によってはそうかもしれませんが、他のグループには真似のできないすごい特技を持っています。
関節を外して縄抜けをするマジシャンのように、狭い隙間に入り込んで隠れる技、さらに、体を液体のように柔らかくも、かちこちに固くもできる技、さらにさらに、なんと分裂して倍になったりする技も!
魚名板のスペースには限りがあるので、名前を紹介されていないものもいますが、ぜひ探して、彼らの平和な?暮らしぶりをじっくりとご覧ください。

Star fish(海の星-ヒトデ)
・テーマ水槽 ・・・ カワテブクロ、コブヒトデ、コブヒトデモドキ
・タッチプール ・・・ イトマキヒトデ

Sea cucumber(海のきゅうり-ナマコ)
・サンゴ水槽(太平洋) ・・・ バイカナマコ、アカオニナマコ、ニセクロナマコ
・タッチプール ・・・ マナマコ


バイカナマコ

Sea urchin(海のいたずら坊主ハリネズミ-ウニ)
・沿岸水槽(相模湾ゾーン) ・・・ タコノマクラ
・ノコギリザメの水槽(深海Ⅰ) ・・・ フクロウニの仲間


フクロウニの仲間

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