2015年03月27日
トリーター:根本

祝飼育1か月!メンダコ飼育 31日目

元気に耳を動かすメンダコ元気に耳を動かすメンダコ

メンダコの飼育日数がついに 1か月に達しました!

日数としては飼育経験のない未知の領域に突入していますが、餌を安定して食べていますので今のところ不安材料はありません。
このまま安定した環境で飼育できれば、今後もおそらく大丈夫だと思います。あとは事故に十分気を付けて飼育を続けて行きたいと思います。

初期はハレモノを触るような飼育をしてきていましたが、最近ではメンダコの生命力に少し信頼感が出てきましたので、ゆっくり観察する気持ちの余裕も出てきました。

観察をしてみると、展示と裏の個体では少し性格といいますか性質が違うような気がします。
ただ、展示水槽のメンダコでは日中の観察は水槽の上からに限られるため裏のメンダコと観察の時間や質に差があるのではっきりした違いがあるわけでは無く、「そのような感じがする」程度の話です。展示の方は眼を大きく開きキリッとしていますが、裏のメンダコは眼を半分以上閉じてのんびりしているように感じます。これは環境の違いによるのかもしれません。展示の方はガラス面からの光や“見られる”というプレッシャーがあると思いますので、その影響が出ているのかもしれませんね。水槽が暗く観察もままなりませんので、あくまでも“そんな気がする”程度の話です。今後注目して見て見たいと思います。

裏のメンダコは夕方に餌をやりに行くと、眼を閉じて平べったくなっていることがあります。餌を乗っけてもほとんど反応をしません。しばらくすると薄目を開けてモニョモニョと動き出して餌に反応し始めます。

眼を閉じている時は寝ているでしょうかね?
魚と違いタコは目をつぶることができますので、“寝ている状態”というのが比較的解りやすい特徴があります。
あまり考えていませんでしたが、やはりメンダコも寝る時間があるはずです。生活リズムはどうなっているのでしょう?ミズダコの様に夜行性なのか?それとも日中活動しているのか?はたまた昼夜関係なく行動しているのか?

今のところ生態に関しては「何となくそう思う」程度でしかわかりませんが、確からしいことがいえるように観察を続けていきたいと思っています。そしてこれをデータとして残し、メンダコの生態の謎に迫っていかなければなりません。それが水族館で生物を飼育することの価値の一つだと思います。
そして展示で余すところなく紹介できればベストですね。それでこそ水族館の存在意義があるというものです。個人としてもみなさんに深海に興味を持ってもらい、魅力が伝わればそれほどうれしいことは無いですからね!

現在、1分 30秒毎に写真を撮れるインターバルカメラを設置し、行動の記録を取っています。こんなものでもつなげて動画にして見てみると動きがわかって面白いのですが、できればビデオ撮影をしたいところです。
ビデオ撮影は試してはみましたがあまりの暗さで映りません・・・。一昨年は赤外線撮影で成功を収めたのですが、赤外線を相当嫌がってその後メンダコが急死しているので、怖くて使えません・・・。
どうにか感度のよいカメラで餌を獲る行動などをきれいな映像で残したいところです。
何か良いものがあればいいのですが・・・。

インターバルカメラで撮影した写真をつなげた映像もみなさんに見ていただける形にしてどこかで出せるといいなと思っています。
おたのしみに!


砂をかぶりまったりしているメンダコ

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-

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