2015年04月22日
トリーター:石川

カッ飛び!!“ムーン”

フンボルトペンギン「ムーン」フンボルトペンギン「ムーン」

ここ数日のペンギンショー「ペンギンストーリー」で、ひょっとするとご覧になられた方がいらっしゃるかもしれません。
最年少の雄“ムーン”がショーの終わりの頃になると突然“カッ飛び”始めるという行動を見せています。
行動としては、ショーの最後にプール内に魚をに投げ入れて食べたペンギンをみなさんに教えていただくという場面なのですが、突如として“ムーン”がものすごい勢いで泳ぎ始め、あまりに激しいので、ショーそっちのけでみなさんも私たちも見入ってしまうという行動です。

このプールで出せる最高スピードクラスで左右に泳ぐさまは、野生のペンギンたちが魚を追いかけるときの急旋回や、採餌場所まで移動する際に見せるいわゆる“イルカ泳ぎ”を含めた泳ぎです。
勢いがありすぎて反転する際に、空中で逆立ちに近い恰好になってしまったりすることもあります。
ショーでは本来、10羽近いペンギンたちが競って魚を食べるところなのですが、その“ムーン”の激しい泳ぎに圧倒されているのか、あきれているのか、迷惑がっているのかわかりませんが、みんな陸へ上がってしまうという現象まで起きています。
“ムーン”は今までショーでは魚をとりに行ったことも、食べたこともなく、仮にこの行動が魚を食べるため他のペンギンを追い立てているのであれば、今までにいない逸材です!
ただ、先日はひとしきり激しく泳いだ後、スッキリしたのか、疲れたのか他のペンギンと一緒に陸場へ上がってしまい、その後の魚とりには目もくれず陸場にいたこともあったので、行動自体はそのつもりではなさそうです。
しかし、このタイミングで何度かは魚を食べることができているので、徐々に学習している可能性もあります。
あくまで、“ムーン”の気持ち次第で、今後続けて見られるかもわかりません。
もう 2週間くらい見られている行動なのですが、ペンギン担当者の中でもまだ見ていない者もいるので、見られたら超ラッキーです。
できれば“ムーン”の特技として定着させたい気持ちがありますが、この行動が「とっても良かったよ」って教えてあげられるタイミングがなかなかないのです。

繁殖シーズンに雄の“トップ”が雌を追い回して似たような行動を見せるですが、雌はあからさまに嫌がって逃げていますし、“ムーン”ほどの高速で泳ぐわけではないので、見た感じの印象は全く違います。
なんの意図があるのかまだよくわからないのですが、春の陽気のせいなのか、超元気な“ムーン”のスイムが見られたら気分爽快!チョーラッキー!です。

ペングィーン!

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