2015年06月14日
トリーター:伴野

海獣類について詳しくなろう!! Part 2

バンドウイルカ「ミレニー」バンドウイルカ「ミレニー」

みなさん、こんにちは。
関東も遂に梅雨入りし、雨の季節がやってきました。
ジメジメとした天気が続きますが、えのすいではこの時期しかおこなわれていないイベントや展示もありますので、ぜひ遊びに来てくださいね。

さて、今回も 『海獣類について詳しくなろう!!』 シリーズを書かせてください! m(_ _)m

パートナーのバンドウイルカの「ミレニー」とトレーニングする際、分かりやすくサインを出すことを意識しているのですが、私の出すサインが分かりづらかったり、見えづらかったりして、まだまだうまくコミュニーケーションがとれないことがあります。

私が出しているサインが「ミレニー」にはどんな風に見えているのだろう。そんなことを最近はよく考えるのですが、そこで、きょうはイルカたちの眼について書いてみようと思います。

イルカたちを見ていると、本当にこちらを良く観察していることに気づきます。

イルカの眼は脊椎(せきつい)動物の眼に共通なつくりとなっています。しかし、私たちヒトの水晶体の形がだ円形なのに対し、イルカの水晶体は魚と同じく球形をしており、光をよく集めることができるため光の少ない水中でも視力がよく働くようになっています。
また、光を集める細胞 (桿体(かんたい)といいます) が多い為、暗いところでも物がよく見えるような構造になっています。

そして驚くべきことに、イルカの眼にはよく見える方向(視軸(しじく)といい、視神経(ししんけい)が集合している所)が 2つあるのです!

それだけではありません。
さらに、左右の眼でそれぞれ別の方向を見ることもできるのです!!

・・・イルカたちにはいったい世界がどんな風に見えているのでしょうね。

ちなみに視力は種類にもよりますが、約 0.1程度といわれています。
(イルカの視力の測定方法は書くと長いので省略させていただきます)
単純に数値だけを見ると、私たちと比べて視力は悪いと考えてしまいますが、トリーターの出す指先の細かなサインも見逃さないことから、しっかりと見えているのだろうと思います。

空気中と比べ、水中では潜れば潜るほど暗くなり視力は頼りになりません。そのかわり音は空気中より水中の方が速く遠くへ届くため、イルカは聴覚を発達させました。

クリック音と呼ばれる音を発し、反響音から対象物の位置や形、材質までわかってしまうのですが、この能力を「エコーロケーション」といいます。
潜水艦のソナーや魚群探知機などと同じ原理です。

・・・ますますイルカたちがこの世界をどのように感じているのか、興味深くなってきましたね。

生き物というのは自身の生息している環境で生き抜くために、本当によく進化しているのだなとつくづく感心してしまうのは私だけでしょうか。

“えのすい”にいる生き物たちをご覧になって、生き物の不思議な魅力を感じ、少しでも興味を持っていただけたら嬉しいなと私たちトリーターは思っています。

ダラダラと長い文章になってしまい、申し訳ございません m(_ _)m
本日はこれで失礼します!

バックナンバー
2015/ 05/ 30 海獣類について詳しくなろう!! Part 1

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イルカショースタジアム

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