2015年09月21日
トリーター:植田

相模湾大水槽の主

イセゴイイセゴイ

きょうは、敬老の日ですね。そこで“えのすい”の魚の「主」についてお話ししたいと思います。
主と聞くと、さぞ大きな、威風堂々としたお魚を想像される方もおられるかもしれません。しかし、相模湾大水槽の主とも呼べる、最も長生きのお魚は、体長約50cmのイセゴイです。
この魚、食用にはまずならないので、名前を聞いたことのない方は多いと思います。
どんな魚でしょうか?
私たちがよく説明に使うのが、「ニシンに似た魚です」という説明です。
ニシンは北海道沿岸あたりでもよくみられる、どちらかというと冷たい海で生活する魚ですね。
一方のイセゴイは、南方系、日本では東京湾から南、日本海側でも佐渡島周辺から南、琉球列島やもっと南の東南アジアあたりまで、インド洋沿岸の熱帯海域にも分布するとされています。

当館の「主」が水族館にやってきたいきさつですが、水族館のすぐ東側に境川という河川があります。
その河口で一般の方が魚釣りをしていた折、それまでに見たこともない体長 10cm前後の小魚を釣り上げ、「見たことのない魚を釣った」と、旧江の島水族館に持ち込まれたのが由来だそうです。1984年(昭和 59年)のことでした。

それから 31年あまり、この「主」は旧江の島水族館の後半の 20年間と、新江ノ島水族館のオープンから 11年間を見てきたことになります。
イセゴイの長寿記録としては 44年間というのがあるようですので、「主」の 31年はまだまだ先があるかもしれません。
さほど大きな魚体ではありませんが、銀色の光沢を放つその雄姿を、相模湾大水槽でこの先も永きに亘って見せてほしいと願っています。

相模湾ゾーン

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