2015年12月15日
トリーター:杉村

実はそれぞれに番号が付いています?!

ゴエモンコシオリエビゴエモンコシオリエビ

「深海Ⅰ~JAMSTECとの共同研究~」の化学合成生態系水槽では、現在ゴエモンコシオリエビ、シンカイヒバリガイ、ヘイトウシンカイヒバリガイ、オハラエビ、ミョウジンシンカイコシオリエビ、ジゴクツムバイなどを飼育しています。
これらは全て、JAMSTEC(国立研究開発法人海洋研究開発機構)との共同研究のもと飼育研究をしている生物たちです。

相模湾初島沖の湧水域や沖縄の熱水噴出域などから採集され、飼育技術開発のために飼育実験をおこなっています。

これらの生物は、全てID番号がつけられているのを知っていましたか?
いつ、どの調査船で(しんかい6500やハイパードルフィンなどの探査機器)、その海域のどの場所で(緯度、経度)、水深何メートルでどのように採集された(スラープガン、その他機器)のか、また、どのような状態で保存されているのか、さらには誰が保管しているのかがすべてわかるようにID番号がふられています。
ですので、長期飼育がうまくいくとその個体の由来がどこなのかが分かるというわけです。
個体の所在がはっきりすることでこれからの研究の重要な資料になります。

例えば・・・ゴエモンコシオリエビには、「HPD1861-○○-○○-○○」というようなIDが付いていて、「HPD」とはハイパードルフィンの略、「 1861」は 1861回目の潜航という意味でその後の「○○」は採集方法や保管者によって孫番号がふられていきます。
これは全て、調査中の航海でおこなってしまいます。

飼育実験ではID番号は長すぎるので、分かりやすく「S14-○○」や「S15-○○」としています(長すぎて、ゴエモンの背中につけられないというのが本音?)。
昨年 12月の個体が白いテープで、今年は緑のテープで色分けしています。
(今年の 8月のトリータ日誌[ 2015/ 08/ 15 沖縄の調査航海から帰ってきました!! ]でちょっと紹介していますけど・・・)
因みに「S」はゴエモンコシオリエビの学名(属名)の「Shinkaia」から取っています。
シンカイヒバリガイは、「BJ14-08(画像)」は、学名の「Bathymodiolus japonicus」、ヘイトウシンカイヒバリガイの場合は「Bathymodiolus platifrons」で「BP」というように後から我々が分かるようになっています。
数字の方の「 14」は「 2014年」の 14、後は個体番号というわけです。
密かに・・・ある有名研究者「T.K」の名前を付けている個体がいるかも・・・(ちゃんと許可もらってますよ。。。)

深海Ⅰでは他の水槽と違って研究も同時におこなっており、個体を追いかけて観察ができますので、じっくり見ていると行動が詳しく観察できる特徴があります。
今度、じっくり個体を観察してみてはいかがでしょうか。。


シンカイヒバリガイ

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-

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