2016年06月17日
トリーター:鈴木

水族館の豆知識

相模湾大水槽相模湾大水槽

こんにちは、鈴木です。
先日、お客さまから、何か水族館の豆知識を教えてください、とご質問を受けました。
・・・ 一瞬、鳩が豆鉄砲を食ったように、呆気にとられてしまいました。
というのも、普段お客さまとの会話の中で自然と話題から派生して、(いわれなくとも)つい話してしまう豆知識を、いざ改めて教えてください、といわれると、何を選択すればよいか正直戸惑ってしまいます。
勿論、トリーターであるならば、豆知識の一つや二つ、いや、みな軽く 20個以上は持っているはずです。
ただ、豆知識を教えてください、という質問に対して選ぶ豆知識ですから、自らが持つ一番の豆をお教えしなければなりません。大きさも当然、大型で、そら豆くらいか・・ 、いや、世界最大の豆で掌くらいあるモダマ(藻玉)の豆くらいなければ、そのご質問の対価にはならないでしょうか。

ですが、そもそも豆知識とは、本筋とは外れているが知っていると役に立つ、ちょっとした知識という意味合いで、しばしば、雑学や、英語でくだらないことなどと訳されるtrivia(トリビア)などにいい換えられたりもします。
因みにこのtriviaという言葉はもともと違った意味でしたが、中世ヨーロッパの大学で基礎教養科目 7科目のうち 3科目をラテン語でtriviumといい、それらがその他の 4科目より劣るとする皮肉から、無駄な知識、という意味になったと考えられているそうです。
そう、まさにこれこそがtriviaです。

・・ 話を豆知識に戻します。
さらにこの場合の“豆”とは接頭語であり、名詞に付き、形や規模などが小さい意を表す、とも辞書には書いてあることより、やはりより小さい(無駄な)方向に進むというのが豆知識の最大値に近づくのではないかと考えられます。

以上のことから、つまり、King of 豆知識というのは、より小さく、よりちょっとした知識、本当に無駄と紙一重の知識のことではないでしょうか。

だって、逆により深く素晴らしい豆知識は、既に小さくも、ちょっとでも、無駄でもなくなってしまい、豆が取れた、ただの“知識”となってしまいます。

・・ 本当の無駄な知識とはこういうことでしょうね。
これらは全くの出鱈目な持論ですのでどうかあしからず m(_ _)m。
最近こういった内容から離れていたものでつい・・ 。

やはり豆知識はあくまで『へぇ~』と小さいながらも感心するような内容でなければいけませんよね!

さて、お持たせしました、本題です。
その質問に対して私がお答えした内容であり、水族館の豆知識は?といわれて私が一番に思いつくものは、なぜ水族館は館内が暗いことが多いのか?ということです。
これは、私自身も今までで一番「なるほど~」と納得した豆知識でもあります。
みなさんは分かりますか?
恐らく、水槽が良く目立つ、明るいとガラスに光が反射して中が見えにくくなる、幻想的な雰囲気作り・・など、お客さまにとっての利点がぱっと思いつくかと思います。

もちろんそれも大きな理由のひとつですが、でも実は水槽の中の魚たちにとっても良いことがあるんです。

では、ここで、ご自分が夜に電車に乗っている姿を想像してください。
明るい車内から暗い外を見ようと窓に目を向けると、どうでしょうか、外はよく見えるでしょうか?
恐らく、外のようすはあまり見えず、代わりにガラスに映った自分の姿がよく見えるかと思います。
これがまさに明るい水槽の中から暗い館内を見たようすです。

魚たちもやはり常に良く見られて、視線を感じ続けると、ストレスが溜り体調を崩してしまうことがあります。
なので、それらを軽減するため、水槽の中を明るく外を暗くすることで、中から外はなるべく見えにくいような工夫がされているんです。

ちなみに、夜に踏切待ちの際などに、通る電車を見ると、明るい車内は鮮明に見えますよね。
これがみなさんの方から水槽を見たようすですね。

つまり、みなさまからは水槽の中が良く見えますが、魚たちからはあまり見えないようになっているというわけです。

どうでしょう、少しへぇ~となりましたでしょうか。
さらに言うと、深い所に暮らす魚など、照明が暗い水槽では、外との明暗の差が少ないので、中からも比較的良く外が見えています。
大抵そういう魚はデリケートなことが多いので、ぜひ静かに見てあげてください。

というわけで、何とも無駄が多い文章の豆知識の話でしたー \(^o^)/ ではまたー!

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