2016年09月21日
トリーター:北嶋

オオグソクムシの近況

もうすっかり深海生物の定番になったオオグソクムシのお話です。
ことしはオオグソクムシたちがたくさん脱皮をしています。
背中の節からじょうずに出ているようです。
当館では江の島の深場で操業している漁師さんからいただいてくることが多いですが、入ってきたときに体が黒くて汚いのはだいたいメスです。
成熟したメスは卵を抱えられるようにお腹に袋のようなヒレ状のものがたくさんあります。
ちょっと難しい名前で覆卵葉といいます。
このところ入ってきたグソクムシはこの袋が発達しているものがいくつもいました。
でも卵は持っていない。
卵をまだ見たことが無いのでぜひ見てみたいのですが、おそらくもう少し前の時期なのでしょう。
そんなメスが脱皮しました。
そうしたら、袋が見えなくなっている。。。
卵の時期だけ発達するみたいですね。知らなかった。

脱皮をしているせいか、食欲もすごいです。
魚を投入するとすぐに骨になってしまいます。
脱皮直後の個体がかじられないように、餌を多めにあげようと魚を何本も水槽に入れます。
おとといはサンマやイカナゴなどの魚 10本ほどがすぐ骨に。
しかし、困ったことに丸の魚は脂がすごいので水槽がひどくよごれてしまします。
そこで、脂があまりでないように殻つきのエビをあげてみました。
食べました。
食べました、が、じょうずに殻をほじくって中身だけ食べてました。
あんな口をしているのにエビの殻は食べれない(もしくは食べたくない)ようです。
シリコンのチューブはガリガリにかじり切ってしまうのに。

変な生き物ですよね~。

脱皮殻

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