2017年03月31日
トリーター:笠川

ワイルドはやはり違う

サルシアクラゲサルシアクラゲ

三陸の海で見たサルシアクラゲは凄かった・・・・

3月の中旬に、北里大学の三宅研究室の三陸調査に同行させてもらい、クラゲ採集を行ってきました。
1日目雨、2日目強風と、悪天候と寒さでかなり過酷な状況でしたが、三陸の海を自分の目と肌で感じることができ、クラゲも何種類か採集できて、きちんと成果が上げられたので、本当に良かったです。
久々に、大量のクラゲを見て、ワクワクドキドキ興奮しました。あんなにサルシアクラゲが大量にいるとは思いもしなかったので、寒さも忘れるほどです。ひとすくいで、十数匹です。感動です。繁殖ものとは違い、かなり立派なサイズで、口柄も力強く、たらふく何かを食べていました。一瞬、他のクラゲじゃないかと見間違えるほどです。
食べているものもいろいろのようで、そのせいか、口柄が赤や緑、青みがかっていたりと面白かったです。よく見ると、そこそこのサイズのアミを食べていたり、驚くことにシミコクラゲなど、他のヒドロ虫も食べていました。あんな小さな口で、他のクラゲをバクバクいくとは、初めて知りました。ワイルドはやはり違うなぁと実感しました。

ただ、残念なことに、このクラゲたち、“えのすい”に持ち帰り、飼育、展示をしていたら、あの溢れんばかりの野性味が感じられなくなってしまいました。すっかり、繁殖ものと変わらない、おとなしい感じに変わってしまいました。やはり、餌が違うのでしょう。水族館では、毎日ブラインシュリンプのみの給餌であるため、あのワイルドさは出せないのかもしれません。

もう一種、とても勉強になったクラゲが、キタヒラクラゲです。
このクラゲ、相当衝撃に弱いです。よじよじ網でとってしまえば、たちまちくちゃくちゃです。そして、びっくりすることに、エアーもダメです。止水でなければ、保つことができません。
展示では、クラゲサイエンスでポケット水槽に入っていますが、エアーも出していないので、沈んでいます。これでいいのです。大丈夫です。むしろこれでないとダメです。たまぁ~に、ぽわぁ~と自分で漂います。よく見ると、とても繊細な感じで、柑橘類を輪切りしたような見た目です。
そして、すごいことに分裂して増えます。1つが 2つになります。面白いです。扱いは、非常に神経を使いますが、自分で採集したこともあり、とても好きになりました。

海に出かけると、とても多くのことを学び、経験することができます。図鑑を見ているだけでは得られないことばかりです。
サルシアクラゲもキタヒラクラゲも、図鑑を見ているだけなら、ふ~んという感じですが、実際に海で見ると、見方が変わります。


キタヒラクラゲ

クラゲサイエンス

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