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えのすいトリーター日誌

2017.07.28 トリーター:根本

2017/07/28 今週のおすすめ


今週のおすすめでは、エドワード・S・モース と言うアメリカ人をご紹介したいと思います。
2017年の今年、藤沢市の後援の元、日本大学(生物資源科学部)と新江ノ島水族館ではモースの来日140周年を記念して特別展を行っています。
水族館ではモースゆかりの生物「シャミセンガイ」を展示していますので、日大の展示とあわせてぜひこの機会にモースの功績に触れてみてくださいね!

さて、まずはモースが何者で何をした人物なのか?
そしてなぜ藤沢市で取り上げられるのか?
モースは歴史教科書でもあまり扱われていませんね。
「モースって誰?」という方も多いかもしれません。
日本で大きな功績を残している人物ですので、簡単ではありますが少し紹介したいと思います。

江戸時代が終わって間もない明治10年、国内は明治維新での動乱が冷めやらず、九州で西郷隆盛が西南戦争を始めたこの年にエドワード・S・モースはアメリカからやってきました。
彼は38歳の海洋生物学者でした。
当時、欧米ではチャールズ・ダーウィンが出版した「種の起源」が学者や市民に衝撃を与えており、生物の起源が“神の創造物”なのか、それとも“進化で生まれたもの”なのかが学者やキリスト教の市民の間で真剣に議論されていました。
この論争の中、「進化論が当てはまらない生物」として注目されていたのが「シャミセンガイ」でした。
「生きた化石」言う言葉がありますよね?シーラカンスとかオウムガイなどで良く使われる言葉ですが、この言葉を始めに使ったのがダーウィンであり、またシャミセンガイに対して使ったのが最初でした。
これに興味を持ったモースはシャミセンガイの研究を始めたのですが、アメリカでは一週間駆けずり回って探しても数個体しか手に入りませんでした。
そんな時に「日本はシャミセンガイの宝庫」と言う話を聞き付け、開国間もない日本にはるばる船に乗りやって来たのでした。

モースが来日した明治10年は東京大学が誕生した年でもありました。
西洋の知識を取り入れようと外国人の教授を探し求めていたタイミングと、日本でも名が知られていたモースの来日が重なり、モースは東大の理学部生物学科の教授になったのでした。
大学で学生に生物学を教えながらも来日の目的であるシャミセンガイの採集も行いました。
東京から近く、シャミセンガイが豊富にいる場所、それが「江の島」でした。
モースは弟子を連れ江の島に1ヵ月ほど滞在して採集を行いました。
江の島に訪れたモースは、江の島に住み込み、漁師小屋を借りて改造し“臨海実験所”を作りました。
これが日本初であり東洋初の臨海実験所で日本の海洋生物研究の出発点でもありました。

現在、江の島に行くと島の入口にモースの記念碑が立っていますね。江の島に訪れた際は見てみてくださいね。
そして今年は来日140周年。これを記念して今回のイベントが行われているのですね。

これだけでも凄いのですが、モースは生物学だけではなく日本で初めて「貝塚」を発見した人物としても有名で、日本に石器時代がある事を発見し「縄文時代」と名付けたのもモースでした。
その貝塚は「大森貝塚」として歴史の教科書にも出てきますね。
そしてモースが素敵なのは、日本滞在中の出来事や感じた事を膨大な日記に残している事です。
その日本滞在記を「日本その日その日」と言う題名で本として出版し、欧米に日本の文化を紹介しています。
現代の日本人が忘れた日本人の暮らしが生々しく書かれており、日本人が読んでもカルチャーショックを受けてしまうほど面白い本です。興味のある方はぜひ読んでみてくださいね。普通に本屋で購入できますよ。
また「日本の住まい」と言う日本のユニークな建物と暮らしを、300点にも及ぶ細かなスケッチと共に紹介した本も出版しています。
今となっては明治初期を知るためのとても貴重な資料です。

その他にも北海道から九州まで採集調査をしたり、ダーウィンの進化論を日本人に広めたり、東大の標本や図書を整備したり、自分の死後は所蔵している図書 1万2千冊を東大に遺贈したりと日本のために尽くし、日本を愛した日本のために尽力したモースの話はつきません。
興味を持たれた方はぜひ日大の展示を訪れてみてくさいね!

水族館ではモースが探し求めたシャミセンガイを展示しています。
昔は豊富にいたシャミセンガイですが、江の島では昭和30年代にすでに消滅しております。
全国的に絶滅の危機に瀕していますが、九州の有明海では数を減らしつつもまだ多く残っていて「メカジャ」と言う名で食用にもなっています。
今回展示しているシャミセンガイも有明産のシャミセンガイです。
かなり地味めで動かない生物ですが、生きているのを見る機会はほぼないと思いますので、えのすいにいらした際は見に来てくださいね!

新着生物
[モース来日140年記念 生きた化石「シャミセンガイ」の生体展示開始]

日本大学 企画展
[モースと相模湾の生き物(日本大学生物資源科学部博物館)]

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