2019年05月06日
トリーター:山本

ちょっと変わったアンドンクラゲ

これは、クラゲ生産室で育てている「アンドンクラゲ」のとある個体の写真です。
さて、いきなりですが問題です! この写真、普通とはちょっと違う所があるのですが、それはどこでしょうか?

正解はいくつかありますが、いちばんに気がつくのは触手の数の違いではないでしょうか。アンドンクラゲは通常触手が 4本ですが、この個体には触手が 6本あります。
みなさんがよく知るクラゲの「ミズクラゲ」には、たまに胃の数が 6個だったり 8個だったりと、ちょっと変わった形の個体がいることがありますよね。それと同じで、他の種類のクラゲでも、まれに形が変わった個体がいることがあるのです。
今回は、現在クラゲ生産室で育てているちょっと変わった形のアンドンクラゲのご紹介です。


これが通常の形のアンドンクラゲです。触手は 4本、感覚器(赤)、胃糸束(黄)もそれぞれ 4つ、口(青)は 4方向に分かれています。
それでは、ちょっと変わった形のアンドンクラゲを見てみましょう。


下から見てみると、触手は 6本。感覚器(赤)、胃糸束(黄)も 6つです。触手以外も違うところがありましたね。最初の写真で気がついた方はすごいです!


拡大してみてみると、口(青)も 6方向に分かれています。
この個体は海から採集したものではなく、ポリプから遊離したものです。普通だったら体に 4つできるものが、それぞれ6つずつできているのですね。成長の過程でなったわけではなく、ポリプから遊離したばかりの時からこんな形です(現在順調に成長していますので、もしかしたらクラゲサイエンスで展示する・・・かも)。
これは、ミズクラゲなど、他のクラゲたちの場合も同じです。触手がやたらと多いサルシアクラゲや、5放射に分かれているドフラインクラゲなども見たことがありますが・・・、一体なぜこうなるのでしょうね。とても興味深いです。

みなさんも、たくさんいるクラゲをじっと観察していれば、もしかしたらちょっと変わった面白い個体がいるかもしれませんよ。見つけたら教えてくださいね!

クラゲサイエンス

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