2019年08月05日
トリーター:伊藤

目で見て涼しいソラスズメダイ

この夏、相模湾大水槽の浅瀬、「潮溜まり(タイドプール)」水槽(通称:じゃぶじゃぶ池)がブルーに染まっています。
ソラスズメダイ 計 370個体が、どんと展示されたのです。

伊東の漁師さんのご好意で、漁獲された魚をご搬入いただきました。
本種の特徴は何といってもメタリックブルーに輝くその色です。

搬入当日、漁師さんの活魚タンクを除くと、真っ黒い小魚がたくさん。
真っ黒い・・・ ? はい、想像通りです。
魚の体色は、その状態や気分で、大きく変化しますが、本種の場合、それが特に顕著なのです。
小さな水槽で飼育していると、いつまで経っても落ち着かず、ぼんやりと黒ずんだままということがよくあります。

搬入魚はまず、バックヤードの水槽でトリートメントしました。
その間も終始真っ黒で、本当に全部ソラか?と本種のことを知っていても、疑わしくなる始末です。
数日後、いざ全ての魚を潮溜まり(タイドプール)水槽に移動しました。
移動のストレスもあり、やっぱり真っ黒です。
その翌日、水槽を見ると、まだ本領発揮とはいえないまでも、さわやかなブルーを発色し始めていました。
日を追うごとに、その青さは日に日に増しています。

水族館で定番ともいえる本種ですが、ここまでの大群でご覧いただける機会はそうないかと思います。
なお、数は少しずつ減ってくると思います。
死んでしまうわけではなく、少しずつ大水槽メイン側に移動するからです。
池とメイン側は、向かって左奥にある岩の下で、小魚だけが通過できる隙間があるのです。
もうすでに、10個体ほどが、「相模の沖」(通称:長窓)の転石地帯に移りすんでいます。
この後もじわじわと移動していくと思われ、大群から、所々に青く煌めくアクセントになっていくはずです。

大群をご覧いただけるのは今です。どうぞ目で涼んでください。


相模湾ゾーン

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