アカウミガメプールをリニューアルオープンしてから、一か月が過ぎました。
仕切りを無くしたプールでは、オープンから一週間くらい、争うようすが観察されましたが、新しいプールの環境に、すっかり慣れてくれたようです。
3頭のアカウミガメたちは、お互いを意識しながらも、それぞれお気に入りの場所で、昼寝を楽しむ時間が増えてきました。
アカウミガメは、個体同士が出会うと激しく喧嘩を始めてしまいます。
“喧嘩”というより“食い合い”といってもいいくらい、一方または双方に致命傷を与えてしまう壮絶な咬み合いです。
リニューアル前のプールは、楕円形の平坦な造りだったので、出会い頭の喧嘩が絶えず、仕切りを外すことができませんでした。
そこで、今回のリニューアルでは、プールの中に壁から交互に擬岩を入れることで、個体同士がお互いを見えにくくして、隠れられるスペースも作ることで、アカウミガメたちが争う機会を減らせるように工夫をしました。
また、産卵のため、砂浜へ上陸しやすい構造に改良しました。
そして、コンクリートをコーティングすることで、前肢の爪が擦り減らないように加工を施しました。
ウミガメの繁殖行動では、密かに爪が重要な働きをします。
交尾の際に、雄のウミガメは、雌の甲羅に後ろから乗って、前肢の爪でがっしりと固定してつかまります。
雄の前肢に爪が無いと、簡単に振り落とされてしまうので、うまく雌と交尾をすることができないのです。
今回のリニューアルで、雄雌の同居、上陸ルートの確立、爪の保護といった、アカウミガメの繁殖に向けた課題 3点をクリアにすることができました!
体調管理に努めて、行動観察を重ねながら、来春以降の繁殖に備えていきたいと思います。