2019年09月11日
トリーター:岩崎

トロピカル水槽の潜水作業

トロピカル水槽トロピカル水槽

太平洋の暖かい海、トロピカル水槽では、一日一回担当者が潜水して、給餌や掃除を行っています。
水槽が大きいので、手で届かない場所は、どうしても人が潜って作業を行う必要があるのです。

正面中央、お気に入りの穴にいるドクウツボには、アジを与えています。
けっこう気まぐれで、食べる時と食べない時がはっきりしています。
食べたい時は、穴からモソモソ這い出してきて、「ちょうだい!」といった感じで猛アピール。
ピンセットでアジを渡すと、匂いを嗅いで確かめてから、口にくわえて穴に持ち帰えります。
そして、ブルブル頭を振りながら、ゆっくりと飲み込んでいくのです。
15cmくらいのアジをまるごと飲み込んでいくようすは、豪快で迫力があります。

トビエイたちやサカタザメには、アサリのむき身や、小さく切ったイカを与えています。
ダイバーが潜ると、近くを泳いだり体にまとわりついたりして、「ちょうだい!」アピール。
他の魚に取られないように、ピンセットで口元まで餌を運びます。
もぐもぐ食べるようすは、とてもかわいいです。

ツマグロには、アジの切身や、大きく切ったイカを与えています。
水面を泳いでいるツマグロの口元に、水中からピンセットで切身を持っていくと、かぶりついてから、ブルブルッ!と頭を振って飲み込みます。
おなかが空くと同居している魚を襲ってしまうので、できるだけ満腹になるまで与えるようにしています。
頭を振った時に、食べかすが口やエラから水中に散るので、おこぼれ目当てにデバスズメダイやルリスズメダイなどの小魚たちが、サメの周りに群がります。
ツマグロたちに襲われることもあるのですが、ちゃっかりサメを利用している小魚たちのようすもおもしろいです。

潜水給餌の後は、水槽の掃除です。
壁やガラス面のコケ取りをしたり、砂の上の大きなごみを網ですくったり、サンゴ石や擬サンゴの間や、擬岩の隙間にホースで水流を当てて、汚れやよどんだ水を吹き飛ばしたりしています。
自然の海では、潮流や浪の力で海底が撹拌されて、汚れやよどみが解消されていきます。
水槽にもポンプを使って水流をつくっているのですが、どうしても届かなかったり、滞留してしまったりする場所ができてしまいます。
汚れが堆積したり、水がよどんでしまったりする場所は、雑菌がはびこって病気の温床になってしまいます。
ちょっとした嵐を起こして、水槽の中を隅々まで撹拌することが、病気の予防につながるのです。

掃除中や掃除の後は、しばらく水槽の水が濁ってしまうのですが、生き物たちの健康維持のためにどうかご容赦ください。
潜水給餌と掃除の時間は決まっておらず、給餌をやらない日も時々ありますので、「見られたらラッキー!」といった感じでお楽しみください。

太平洋

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